自ら決断したり相手に決断を迫ったりと、私たちは常に何らかの「決断案件」を抱えて生きているものです。そんな「決断」ですが、時間帯によって結果が変わって来ることが米コロンビア大の調査により明らかになったそうです。無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』の著者で現役弁護士の谷原さんが詳しく紹介してくださっています。
決断する時間帯の不思議
こんにちは。
弁護士の谷原誠です。
1日のうちのどの時間を、どのような作業にあてればいいのか、についての一つの基準を提示します。
コロンビア大学のジョナサン・レヴァブとベングリオン大学のシャイ・ダンジガーは、10ヶ月以上かけて、イスラエルの刑務所システムの中で、判事が交替で議長を務める審議委員によってなされた1,000件以上の仮釈放の審議を調査しました。
その結果、午前中に審議を受けた受刑者が仮釈放を認められる確率は70%で、午後の遅い時間に審議された受刑者が仮釈放を認められる確率は10%未満だったといいます。
つまり、睡眠をとって疲れが取れている状態では積極的な決断ができる傾向にあり、決断を続けて疲れた後は、積極的な決断ができなくなる、という傾向がある、ということです。
ということは、私たちが、何か決断をしなければならないような時は、決断する時間を、睡眠後早い時間(多くの人は午前中)に行った方が先延ばしを防げる、ということです。
誰かに、相手に積極的な決断を迫りたいのであれば、夕方遅い時間ではなく、午前中に行う方がよいでしょう。
ただし、これは、相手が十分に考えて積極的な決断をする、という場合に限られます。人を説得したい時には朝の方がよい、ということではありません。
夕方の方が疲れており、意志力や忍耐力が低下しているので、粘り強く説得をしてイエスと言わせたい場合には、夕方の方が適している場合もありますので、分けて考えた方がよいでしょう。
また、積極的な決断をしなければならない会議をするのであれば、夕方の会議は先延ばしになりやすく、朝の会議では、積極的な決断がなされやすい、ということになるでしょう。
このように、私たちは、しっかり睡眠をとって頭がフレッシュな状態にあるか、あるいは疲労状態にあるか、によって、無意識的に決断の内容が異なることがありますので、その点を知った上で、タイムスケジュールを組む必要があるでしょう。
今回は、ここまでです。
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