ムラマツ・フルート・レッスンセンター講師による
~おもひでの名曲~
Memories Of YouVol.25 高久 進 先生
J.S.バッハ
パルティータ BWV1013
今まで沢山の曲を演奏してきましたが、そのすべての曲に思い出が紐づいています。そうした曲の中から1曲を選ぶのは至難の業で本当に悩みますが、意を決して選ぶならJ.S.バッハの「パルティータBWV1013」です。
フルートを始めた中学生の頃、ラジオの『百万人の音楽』という番組で吉田雅夫先生が紹介した「現在考えられる最も優れた演奏」としてP.L.グラーフの演奏を聴き衝撃を受け、どうしてもパルティータが吹きたいとの思いでフルート沼にはまってしまいました。
大学院の入試、リサイタルなど大切な場ではパルティータを演奏してきました。演奏するたびに底なし沼にはまっているかのように、この曲の難しさを実感しています。村松楽器からH.P.シュミッツ先生のレッスンビデオを出す際にお声がけいただき、バロックの大家である先生から学べるならと、パルティータを選びました。目から鱗のレッスンとはこのことでしょう、ベーレンライター社の「新バッハ全集フルートソナタ」の編纂を担ったシュミッツ先生ならではの緻密なレッスンに圧倒されました。「演奏の原理」の著者でもある先生の、音楽に対する見識と哲学に裏打ちされた一つひとつの言葉に、この曲の底なし沼の真の深さを実感させられました。
今まで何度も見直していますが、そのたびに新しい発見があり、常に新鮮な気持ちでこの曲に取り組むことができることを嬉しく思います。そういった意味では完了形の思い出の1曲ではなく、現在進行形、あるいは未来完了形の1曲というべきかもしれません。
<楽譜・DVDのご案内>
高久 進 先生
武蔵野音楽大学卒業、同大学院修了。在学中福井直秋記念奨学生に選ばれる。喜谷良宗、湊 禎子、青木 明の諸氏に師事。
東京フルートアンサンブル・アカデミーのメンバーとしてイタリア、フランス、アメリカ(シアトル)、オーストラリア、またフルート協会フルートオーケストラのソリストとしてアメリカ(サンディエゴ)、ブラジル(リオデジャネイロ、サンパウロ)における演奏会にも参加する。
第35、38回日本管打楽器コンクール部門審査委員長を務めた他、「新しい楽器学体系」(共著)の執筆なども手掛ける。
現在、武蔵野音楽大学教授。東京フルート・クヮルテット、東京フルートアンサンブル・アカデミー、メンバー。日本フルート協会常任理事。ムラマツ・フルート・レッスンセンター講師。フルート演奏研究会ボン・ヴィヴァンを主宰。
※プロフィールは、掲載時のものとなります。
Vol.25 高久 進 先生
J.S.バッハ
パルティータ BWV1013
今まで沢山の曲を演奏してきましたが、そのすべての曲に思い出が紐づいています。そうした曲の中から1曲を選ぶのは至難の業で本当に悩みますが、意を決して選ぶならJ.S.バッハの「パルティータBWV1013」です。
フルートを始めた中学生の頃、ラジオの『百万人の音楽』という番組で吉田雅夫先生が紹介した「現在考えられる最も優れた演奏」としてP.L.グラーフの演奏を聴き衝撃を受け、どうしてもパルティータが吹きたいとの思いでフルート沼にはまってしまいました。
大学院の入試、リサイタルなど大切な場ではパルティータを演奏してきました。演奏するたびに底なし沼にはまっているかのように、この曲の難しさを実感しています。村松楽器からH.P.シュミッツ先生のレッスンビデオを出す際にお声がけいただき、バロックの大家である先生から学べるならと、パルティータを選びました。目から鱗のレッスンとはこのことでしょう、ベーレンライター社の「新バッハ全集フルートソナタ」の編纂を担ったシュミッツ先生ならではの緻密なレッスンに圧倒されました。「演奏の原理」の著者でもある先生の、音楽に対する見識と哲学に裏打ちされた一つひとつの言葉に、この曲の底なし沼の真の深さを実感させられました。
今まで何度も見直していますが、そのたびに新しい発見があり、常に新鮮な気持ちでこの曲に取り組むことができることを嬉しく思います。そういった意味では完了形の思い出の1曲ではなく、現在進行形、あるいは未来完了形の1曲というべきかもしれません。
<楽譜・DVDのご案内>
高久 進 先生 /新宿教室 水曜日クラス
武蔵野音楽大学卒業、同大学院修了。在学中福井直秋記念奨学生に選ばれる。喜谷良宗、湊 禎子、青木 明の諸氏に師事。
東京フルートアンサンブル・アカデミーのメンバーとしてイタリア、フランス、アメリカ(シアトル)、オーストラリア、またフルート協会フルートオーケストラのソリストとしてアメリカ(サンディエゴ)、ブラジル(リオデジャネイロ、サンパウロ)における演奏会にも参加する。
第35、38回日本管打楽器コンクール部門審査委員長を務めた他、「新しい楽器学体系」(共著)の執筆なども手掛ける。
現在、武蔵野音楽大学教授。東京フルート・クヮルテット、東京フルートアンサンブル・アカデミー、メンバー。日本フルート協会常任理事。ムラマツ・フルート・レッスンセンター講師。フルート演奏研究会ボン・ヴィヴァンを主宰。
※プロフィールは、掲載時のものとなります。最新情報につきましては、こちらよりご確認ください。