- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 『はじめてのおつかい』がアメリカで巻き起こした大論…
『はじめてのおつかい』がアメリカで巻き起こした大論争
子どもを一人でお使いに出すことは、現在のアメリカでは「非現実的」 damicudic/iStock.
<保護責任が厳しく問われるアメリカでは、子どもを一人でお使いに出すことは「非常識極まりない」はずだが......>
日本のNTV系列が放送している長寿番組『はじめてのおつかい』の中から、諸条件に合致したエピソードの放映権がNetflixに売却され、この4月1日から「Old Enough」(「(単独行動をするには)十分に大きい」)というタイトルで世界各国で視聴されるようになりました。一番幼い場合は3歳児未満という幼児が、親に頼まれて「一人でお使い」に行くというリアリティー・ショーですが、アメリカでは大変な話題になっています。
アメリカでは、州によって若干の違いはありますが、基本的に13歳未満の子供に対しては保護者の監視が義務付けられています。ですから幼児に一人で街路を歩かせていることが判明した場合には、その幼児は即座に保護され、保護者は逮捕されるばかりか、そのような「危険な状態を見て見ぬふりをした」場合には目撃者も刑事責任を問われる場合があります。保護者の場合、再犯など悪質と判断されると最悪の場合には親権を失う危険もあります。
この『はじめてのおつかい』は、そんなアメリカの「常識」とは真っ向から対立するコンセプトで作られており、普通に考えるとヒットする可能性は少なかったはずです。そうなのですが、Netflixは見事にある種の「鉱脈」を掘り当てたようです。一体アメリカの視聴者はどうして、アメリカでは「非常識極まりない」この番組に吸い寄せられたのか、まずその手がかりは同番組をめぐる現在進行形の「論争」にあると思います。
米社会へのアンチテーゼも
さまざまなメディアが、さまざまな切り口で論争を取り上げています。
まず、大きな話題になったのは、「ニューヨーク・タイムス」(電子版)が4月16日に掲載したオピニオン・ライターのジェシカ・グロウス氏のコラムです。
グロウス氏の論点は、現状ではアメリカで幼児に「はじめてのおつかい」をさせるのは法律面でも、また安全の面でも非現実的だとした上で、アメリカの家庭教育が「子供を独り立ちさせない」傾向があるという問題提起をしています。つまり、社会的な適応力など、子どもの持っているさまざまな能力を引き出して、自立させるようなアプローチがアメリカでも検討されるべきだというのです
一方、NBCテレビは、朝の情報番組『トゥデイ』でこの番組を大きく取り上げています。現時点では、番組のMCであるキャスターのサベナ・ガスリーに「危険だから絶対ダメ」という反対派の論陣を張らせる一方で、「アメリカで『はじめてのおつかい』は成立するか」というアンケートを「イエス」と「ノー」の間で振れる「メーター」で表示する仕掛けを導入。多角的な議論に発展させようという仕掛けです。
日本企業の国内軽視が招いた1人当たりGDPの凋落 2024.12.25
日産とホンダの経営統合と日本経済の空洞化を考える 2024.12.18
医療保険CEO銃殺事件が映すアメリカの現在 2024.12.11
二期目のトランプと「現実世界」を繋ぐのは誰か? 2024.12.04
日本とアメリカの現状否定票、その共通点と相違点 2024.11.27
環境活動家のロバート・ケネディJr.は本当にマックを食べたのか? 2024.11.20
アメリカのZ世代はなぜトランプ支持に流れたのか 2024.11.13
-
港区 営業アシスタント「海外ネットワークを持つ外資系総合商社」フレックス/残業月10h/年休120日
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
経験5年必須/プリセールス/年商250億円企業/リモート可/外資系企業
SAI DIGITAL株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員