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  • 2024年11月8日

ソムリエ・田崎真也さんと“美食旅”!新酒・地ビールにぴったりなポテトサラダで「酒どころ」秩父を味わい尽くす

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日本ソムリエ協会・会長の田崎真也さんが、その土地ならではの食材を使って、究極の一皿をご提案する“くらしり流・美食旅”。
今回の旅先は、埼玉県の南西部、秩父市周辺です。
搾りたての新酒や、循環型酪農で育まれた牛乳にチーズ。
そして、100年以上前から作られているという“幻のさつまいも”…。

田崎さんがみずから食材を調達し、即興でオリジナル料理を作ります。

酒どころ・秩父の新酒と地ビール

武甲山や奥秩父連峰から流れる豊富な水に恵まれた秩父地域。
澄んだ空気と、盆地による朝晩の冷え込みが厳しいことなどが酒造りに適していて、日本酒をはじめ、ワインにウイスキー、ビールなど、多彩なお酒が造られています。

11月は、まさに搾りたての新酒が味わえる時期。
まずは、荒川水系の軟水で作られた、まろやかな味が特徴の新酒をゲット。
さらに、酒を絞ったときにできる酒かすや、米ぬかを使った、新たな地ビールも!
新酒と地ビールに合う料理とは?

田崎さん

秩父のお酒には、荒川水系の軟水で作るまろやかな味と、武甲山伏流水の中硬水で作るやや辛口のお酒などがあります。
軟水で作るまろやかな味を「女酒」、やや硬水で作る辛口な味を「男酒」と言います。
今回は、荒川水系のまろやかな「女酒」と地ビールに合う料理、2品を作りましょう。

秩父の循環型酪農で育まれた牛乳とチーズ

秩父郡小鹿野町にある牧場では、ホルスタインやジャージーなど60頭近くの乳牛を育てています。   
この牧場では、秩父で造る日本酒の搾りかすや、梅酒で使われた梅、野菜や果物の残りなどを餌に混ぜて与えています。
これらの飼料は牛にとっても栄養価が高く、濃厚で美味しい牛乳が作られ、チーズなどの加工品にも重宝されているということです。
また牛舎では、たい肥作りも行い、地域の農家で利用してもらうなど、秩父の恵みを余すことなく使う循環型酪農が育まれています。

100年以上前から栽培される幻の芋 “太白芋”

太白芋(たいはくいも)

秩父でこの時期に食べられる幻の芋・太白芋(たいはくいも)。
見た目は普通のさつまいもと変わりませんが、中身は真っ白。
蒸すと、ねっとりした食感で、ほのかな甘みが特徴です。

秩父では明治時代から太白芋が作られていましたが、戦後、品種改良が進み、太白芋より収穫量の多いさつまいも栽培が主流となり、秩父では栽培する農家が1軒だけとなってしまいました。   
ところが平成になり、「懐かしい太白芋をもう一度食べたい」という声が広がり、20年ほど前に保存会が発足。
現在14軒の農家が太白芋を大事に栽培しています。

最近のさつまいもに比べて、甘さは控えめ。
しかし、口の中に残る上品な甘さがとてもいいですね。
これはチーズとの相性もいいし、お料理にはぴったりですね!

【田崎流!究極の一皿】 新酒に合う!未来系!? ホワイトポテトサラダ

太白芋を食べて、今回はポテトサラダにしよう!と思いました。
しかし、普通のサラダではつまらない。
そこで、今回出会った食材を並べて、そのときのインスピレーションで作る、だれも想像できない‟未来系“のポテトサラダを提案します!
紅はるかや紅あずまでも代用可です!

<純白のポテトサラダ 材料>
太白芋・・・1本分(200g~250g)
牛乳・・・適量
モッツアレラチーズ・・・1個分
マヨネーズ・・・適量
バター・・・小さじ1~2
ソース・・・適量

<作り方>
(1)太白芋を皮ごと、5~6ミリの輪切りにし、さっと水洗いしておく
(2)鍋に牛乳を入れて沸騰させ、(1)の太白芋を重ならないように並べ、弱火で7~8分煮る   
※牛乳の量は、芋がひたひたになるくらいです
(3)バターを入れて、さらに5〜7分煮る
(4)煮た芋は、軽く水気を切ってあげておく
(5)耐熱容器に(4)を並べ、小さじ1ほどのマヨネーズを乗せ、カットしたモッツアレラチーズを置いたら、表面のチーズがトロリと溶けるまでトースターで焼く
(6)お皿に温めたソースをひき、(5)を盛り付けて、できあがり

<ソースの材料>
牛乳・・・1本分(200ml)
太白芋・・・1本(200g~250g)
砂糖・・・大さじ1
塩こしょう・・・適量
※今回は、色を統一するために白こしょうを使用
バター・・・20g(塩分不使用)

<作り方>
(1)太白芋の皮をむいて適当な大きさにきって、牛乳で煮る
(2)沸騰したら、ごく弱火で、砂糖大さじ1、塩こしょうを適量入れて、7分煮る
(3)(2)にバターを入れて、さらに3分ほど煮る
(4)3分たったら粗熱を取って、ミキサーなどでピューレ状にする
(5)ピューレ状になったら鍋に戻し、盛り付けのときに再加熱して、温かいソースにする
※水分が足りなければ、牛乳を足してください

 

上村リポーター

初めて食べるポテトサラダです!
マヨネーズが入ることで酸味が加わり、太白芋の甘みとチーズのうま味が引き立ちます。
日本酒がどんどん進んでしまいます!

牛乳、チーズ、太白芋、全て白い食材だったので、白いポテトサラダにしてみました。
芋を煮る時間を少し短くし、シャキシャキ感を出すのもおすすめです。
カモミールティーとの相性もいいので、アルコールが苦手な方はぜひ、お試しください。

【田崎流!究極の一皿】 黒ビールに合う!未来系!? ブラックポテトサラダ

<材料>
太白芋・・・1本(200~250g)
燻製モッツアレラ(スカルモルツァ)・・・1個分
コーヒー牛乳・・・1本分
ココア(無糖)・・・大さじ 軽く1
インスタントコーヒー・・・ココアとほぼ同量
砂糖・・・お好み
マヨネーズ・・・適量
バター・・・小さじ1~2

<作り方>
(1)太白芋は、皮ごと5~6ミリの輪切りにし、さっと水洗いしておく
(2)鍋にコーヒー牛乳を入れて沸騰させ、(1)の太白芋を重ならないように並べたらバターを入れ、弱火で10分ほど煮る
※コーヒー牛乳の量は、芋がひたひたになるくらいです
(3)竹串がスッと入るくらい柔らかくなったら火を止めて、軽く水気をきってあげておく
(4)耐熱容器に(3)を並べ、小さじ1ほどのマヨネーズを乗せ、カットした燻製モッツアレラ(スカルモルツァ)を置いたら表面のチーズがトロリと溶けるまで、トースターで焼く
(5)(3)で残ったコーヒー牛乳に、インスタントコーヒーとココア、お好みで砂糖を入れて、少しに詰めてソースにする
(6)(4)に(5)のソースを少量かけたらできあがり

 

甘いのに、ほろ苦い。
これは初めて出会う味!
燻製のチーズがコーヒーやココアの苦みととてもよく合って、とってもおいしいです!

黒ビールの香りをかいだ瞬間、カカオをイメージし、コーヒーやココアを使ってソースにしたら合うのではないかと思いました。
また、カカオは燻製チーズとの相性も抜群!
アルコールが苦手な方は、アールグレーを合わせて食べてみてくださいね。
新しいスタイルのポテトサラダをぜひ、お楽しみください。

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