著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大准教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部准教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

球団の年俸格差と経営格差の構造…24年は“ぜいたく税”が過去最高額の3億1131万ドルを記録

公開日: 更新日:

 2024年の大リーグでは、年俸総額の基準値を超過した球団数が過去最多の9球団となり、課徴金であるぜいたく税の3億1131万ドルも過去最高となった。

 一方、昨季の開幕時点での年俸総額がドジャースの課徴金未満であった球団も存在する。レイズ、マーリンズ、オリオールズ、ガーディアンズ、パイレーツ、アスレチックスだ。

 これらの球団は本拠地にする都市の人口が30万人から60万人程度の中規模都市であり、隣接する地域を含めた都市圏としては一定の大きさを持つものの、都市そのものに限ればニューヨークやロサンゼルス、シカゴなどに比べて市場規模が相対的に小さいことが共通する。実際、パイレーツは本拠地PNCパークがしばしば「“Pirates Need Cash”(パイレーツは資金が必要だ)の略称だ」と揶揄されるほど資金力に乏しい球団として知られる。

 また、ナショナル・リーグで21年以来毎年観客動員数が最低のマーリンズも成績が振るわない球団のひとつである。

 ただ、大リーグ機構による収益分配制度を活用したり、他球団の構想から外れた選手と契約して年俸を抑えたりして、単年での黒字を維持している。その中で、最も深刻な状況に置かれたのがアスレチックスである。

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