あるぞ、初の開幕「KJMクリーンアップ」! 日本ハムが誇る“ロマン・トリオ”が今キャンプ初の対外試合で打線の枢軸を担った。11日、楽天との練習試合(金武)に清宮幸太郎内野手(25)、野村佑希内野手(24)、万波中正外野手(24)が3、4、5番に並んだ。この並びにこだわった新庄監督の期待に応えるように3人で計8安打3打点をマーク。シーズンへ向けて期待だけが高まる、最高の連動を見せた。
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まだ調整段階ながら、ワクワクする攻撃だった。4回1死。3番清宮幸が中前打で出塁すると、4番野村も中前打で続いた。1死一、二塁となり、仕上げは5番万波。きっちりと中前適時打を放って二塁走者の清宮幸を生還させた。今年初めてそろい踏みした「KJMクリーンアップ」の3連続中前打で4点目を奪った。
3番清宮幸は安心して打席に入っていた。「やっぱり後ろに、あれだけいいバッターがそろっていたら、僕が出塁したらなんとかしてくれるっていうところにもつながる。ほんとに心強かったです」。試合勘を取り戻すことをテーマに置いていた「K」は「JM」の後ろ盾もあって5打席で4打数4安打1打点1四球。「シーズン中にほしい(笑い)」というほどの内容のある打席を重ねた。
愛称「ジェイ」の4番野村は自分の役割を明確にイメージできていた。「この並びだったら清宮さんは選球眼もいいですし、塁に出る確率はすごい高い。基本的にランナーがいる場面が増えると思いながらやっていました」。内定している開幕4番へ向けてタイミングを合わせることをテーマに置いた中で「K」がつくったチャンスを広げて後ろに控える同学年の「M」につなげる、もしくは自ら打点を稼ぐ打撃を意識して5打数2安打1打点。「シンプルに打てば、打点も付いてくる」と実感する3人の並びだった。
5番万波も「KJ」がつくった流れに乗った。連続中前打で回ってきた4回の打席は「これは打たないといけないなという意識は当然ありました」。打撃内容としては「(インパクト時に)手首が返りまくっていた」と目指す形とは正反対で反省。自身の中で打撃の完成度は5段階の「2段階目ぐらい」ながら3打数2安打1打点。「皆さんからの期待も感じるので、結果で応えて“そういう形”になったら」と話した。
試合前に6番でスタメン予定だった万波を5番に入れ替えた新庄監督も「3、4、5のセンター前(安打)3本。あれも、よかった」とうなずいた。まだまだロマンあふれる「KJMクリーンアップ」。昨季までの3年間でシーズン中には26度あるが、開幕での初結成となるか。注目だ。【木下大輔】