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南極大陸から海に張り出した巨大な棚氷が次々に崩落している。棚氷は背後にある膨大な量の氷河が海へ流れ込むのをせき止める役割を果たしており,棚氷がなくなると,氷河が海に流れ込みやすくなり,海面上昇につながる。
どのような原因で,どれくらいのペースで棚氷が崩れるかを知ることで,将来の海面上昇をより正確に推定できるが,氷河を人工衛星で観測するだけでは,正確なことはわからない。
そこで科学者らは,南極に遠征隊を送り,必要なデータを得るための観測装置を置いてきた。筆者はこうした遠征に同行した。科学者たちが現場でどのような観測を行い,その結果どのようなことがわかってきたのか,警戒すべきシナリオは何か,南極で進みつつある事態を現場から報告する。
著者
Douglas Fox
サンフランシスコを拠点とするフリーライター。Popular Mechanics誌, Esquire誌などに寄稿してきた。SCIENTIFIC AMERICAN 2011年7月号“The Limits of Intelligence”(「知能の物理学」日経サイエンス2011年10月号)は今年のThe Best American Science Writing 2012(Ecco Press)に収録。
原題名
Witness to an Antarctic Meltdown(SCIENTIFIC AMERICAN July 2012)