脳細胞は電気信号の形で情報を伝えているというのが定説だが,それは誤りかもしれない。ニューロンの信号は細胞膜表面を伝わる機械的な波であるとする見方を支持する結果が集まり始めた。電気パルスモデルに反する事例報告は半世紀近く前からあったのだが,これまで無視されてきた。表面波説が正しい場合,脳の働きに関する説明は大変革を迫られる。
*表面波伝播説を追究し続けた神経生物学者,田崎一二。その生涯を,孫である物理学者の田崎晴明・学習院大学教授が語る「98歳,週7日の実験」を併載。
再録:別冊日経サイエンス243「脳と心の科学 意識,睡眠,知能,心と社会」
著者
Douglas Fox
カリフォルニア州を拠点とするサイエンスライター。神経科学と極端気象について執筆している。
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「思考をつかさどる陰の立役者 グリア細胞」,R. D. フィールズ,日経サイエンス2004年7月号。
原題名
The Brain, Reimagined(SCIENTIFIC AMERICAN April 2018)
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ホジキン・ハクスリー型モデル/田崎一二/相転移/液晶/圧電体/イオンチャネル/ソリトン/活動電位