つなげなかった命の現場を訪ねた 動物愛護管理センター職員の小さな配慮
コロナ禍でペットを飼う人が増えている。人と会うことが制限される息苦しさをペットは優しく癒やす。その陰で、全国で数万匹の犬や猫が毎年処分されている。私たちの社会はペットに優しいだろうか。愛猫家の一人として、人と猫、命が向き合う現場を訪ね、考えた。
コンクリートむき出しの殺風景な一室を薄暗い蛍光灯が照らす。職員が「簡易処分機」のふたを開け、中に段ボールの箱を置いた。ふたを閉じ、3カ所の留め具と排水用バルブを閉め、緑色の「運転」ボタンを押す。シュー、と音がした。...