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『セクシー田中さん』ドラマ化「必ず漫画に忠実に」条件守られず…原作者が経緯説明、謝罪と感謝も

 日本テレビ系で昨年10月クールに放送された連続ドラマ『セクシー田中さん』の原作者・芦原妃名子氏が26日、自身のX(旧ツイッター)を通じ、「今回のドラマ化で、私が9話・10話の脚本を書かざるを得ないと判断するに至った」経緯を伝えた。

日本テレビ(C)ORICON NewS inc.

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 芦原氏は「この文章を書くにあたって、私と小学館で改めて時系列にそって事実関係を再確認し、文章の内容も小学館と確認して書いています」とし、長文を投稿。また、ドラマが放送終了するまで、脚本家と会うことはなく、監督らスタッフとも内容について直接会話をしていないとし、「ですから、この文章の内容は私達の側で起こった事実ということになります」と前置きした。

 その上で「『セクシー田中さん』は一見奇抜なタイトルのふざけたラブコメ漫画に見えますが…。自己肯定感の低さ故生きづらさを抱える人達に、優しく強く寄り添える様な作品にしたいという思いが強くあり、ベリーダンスに纏わる方々の思いにも共鳴しながら、担当編集と共に大切に描いてきた漫画です」と説明。

 ドラマ化にあたっては、数話のプロットや脚本をチェックし、昨年6月上旬頃に同意したという。一方、原作漫画は未完で、結末も定めていないことから「必ず漫画に忠実に」、ドラマオリジナルとなる終盤については「原作者があらすじからセリフまで」用意することも条件とし、「場合によっては、原作者が脚本を執筆する可能性もある」と求めたという。これらがスタッフが制作側に失礼にあたるとも理解し、「この条件で本当に良いか」と何度も確認したという。

 「ところが、毎回、漫画を大きく改編したプロットや脚本が提出されていました」とし、「漫画で敢えてセオリーを外して描いた展開を、よくある王道の展開に変えられてしまう」、「個性の強い各キャラクター、特に朱里・小西・進吾は原作から大きくかけ離れた別人のようなキャラクターに変更される」、「『性被害未遂・アフターピル・男性の生きづらさ・小西と進吾の長い対話』等、私が漫画『セクシー田中さん』という作品の核として大切に描いたシーンは、大幅にカットや削除され、まともに描かれておらず、その理由を伺っても、納得のいくお返事はいただけない」などの点を列挙。

 芦原氏は「私が描いた『セクシー田中さん』という作品の個性を消されてしまうなら、私はドラマ化を今からでもやめたいぐらいだ」と訴えて加筆修正し、7話まではほぼ原作通りとなったが、相当疲弊。「そして、私があらすじ、セリフを準備する終盤のドラマオリジナル展開は8話〜10話となりましたが、ここでも当初の条件は守られず、私が準備したものを大幅に改変した脚本が8話〜10話まとめて提出されました」と明かした。

 「特に9話、10話の改変された脚本はベリーダンスの表現も間違いが多く、ベリーダンスの監修の方とも連携が取れていないことが手に取るように分かりましたので、『当初の約束通り、とにかく一度原作者が用意したあらすじ、セリフをそのまま脚本に落としていただきたい』」、また「足りない箇所、変更箇所、意見はもちろん伺うので、脚本として改変された形ではなく、別途相談していただきたい」と、小学館を通じ日本テレビへ申し入れを繰り返したという。

 しかし状況は変わらず、時間も足りなくなり、9話以降について当初の条件通り「原作者が用意したものをそのまま脚本化していただける方」への交代を要望。「結果として、日本テレビさんから8話までの脚本を執筆された方は9話、10話の脚本には関わらないと伺ったうえで、9話、10話の脚本は、プロデューサーの方々のご要望を取り入れつつ、私が書かせていただき、脚本として成立するよう日本テレビさんと専門家の方とで内容を整えていただく、という解決策となりました」と伝えた。

 芦原氏は「何とか皆さんにご満足いただける9話、10話の脚本にしたかったのですが…。素人の私が見よう見まねで書かせて頂いたので、私の力不足が露呈する形となり反省しきりです。漫画『セクシー田中さん』の原稿の〆切とも重なり、相当短い時間で脚本を執筆しなければならない状況となり、推敲を重ねられなかったことも悔いてます。9話、10話の脚本にご不満をもたれた方もいらっしゃるかと思います。どのような判断がベストだったのか、今も正直正解が分からずにいますが、改めて、心よりお詫び申し上げます」とした。

 そして「最後となりましたが、素敵なドラマ作品にして頂いた、素晴らしいキャストの皆さんや、ドラマの制作スタッフの皆様と、『セクシー田中さん』の漫画とドラマを愛してくださった読者と視聴者の皆様に深く感謝いたします」と結んだ。

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