米NASAは22日(現地時間)、SpaceX社の開発した宇宙船「ドラゴン」の打ち上げに成功したと発表した。米フロリダ州のケープカナベラル基地から、同日3時44分に打ち上げられた。民間企業が開発した宇宙船が本格的な宇宙開発に参加することになる。 ドラゴンはスペースシャトルの後継として、国際宇宙ステーション(ISS)への物資や人員輸送のために開発が進められている宇宙船。NASAでは予算削減などの理由から、民間企業が開発した宇宙船を採用する「商業軌道輸送サービス(COTS)計画」を進めており、ドラゴンとその打ち上げ用ロケットのファルコン9はこの計画のもとに開発が進められている。 今回の打ち上げは最終的なテストを目的としており、実際にISSにドッキングする。これまでISSにドッキングした宇宙船は米国のスペースシャトル、ロシアのソユーズとプログレス、日本のこうのとりで、それぞれ国として開発した宇宙船。民間企業が開発したドラゴンがドッキングに成功すれば歴史的な快挙となる。 ドラゴンは2010年に初の打ち上げ実験を行い、順調に開発が進んできたが、最後のテストであるISSとのドッキングは度重なる中止と延期を繰り返してきた。直近では5月19日に打ち上げ予定だったものの、打ち上げのわずか0.5秒前に不具合が見つかり中止となっている。 今日の打ち上げ成功は、打ち上げ用ロケットのファルコン9が正常に飛行し、ドラゴンを軌道に投入することに成功したことを意味する。今後、ドラゴンは軌道上を飛行しながら各種テストを行ない、25日にISSにドッキングする予定。その2週間後にISSを離れて再び地球に帰還する。ISSにドッキングした宇宙船のうち、ロシアのプログレスと日本のこうのとりは地球に帰還する能力がないため、ドラゴンが帰還に成功すれば、スペースシャトル、ソユーズにつぐ3番目の宇宙船となる。