不動産ニュース / 開発・分譲

2025/3/5

日鉄興和不・三井H、大岡山に木造賃貸マンション

「リビオメゾン大岡山」の外観は「森」をイメージして黒をベースに構成した
エントランス内部は壁面仕上げに天然木の面材を使っている

 日鉄興和不動産(株)は、同社初の木造賃貸マンション「リビオメゾン大岡山」(東京都目黒区、総戸数29戸)を竣工。「モクシオン」ブランドで木造マンションを手掛ける三井ホーム(株)が設計・施工を担当し、5日に両社がプレス向けの内覧会を開いた。

 東急目黒線「大岡山」駅徒歩10分、東急東横線「都立大学」駅徒歩12分の閑静な住宅地に立地。従前は賃貸マンションが所在していたが、老朽化のため所有者が土地・建物を手放した。それを日鉄興和不動産が取得し、木造賃貸住宅に建て替えた。敷地面積は657.65平方メートル。建物は地上4階地下1階建て、1~4階を枠組壁工法、地下1階を鉄筋コンクリート造で建築した。延床面積は1,491.01平方メートル。間取りは1DK~2LDK。ZEH-M Orientedの認証を取得している。

 日鉄興和不動産は気候変動に対応した「自然と環境に配慮したまちづくり」を推進しており、今回の木造マンションの供給はその一環となる。

 外観は黒をベースに、重厚感のある森をイメージ。エントランスは幹をモチーフとして天然木を壁面の仕上げ材に採用。木の模様や香りなど、建物に入ると自然に包まれるような感覚を演出した。さらに最上階にはルーフテラスを設け、草屋根による屋上緑化を行ない、入居者に「草屋根テラス」として開放。植物の蒸散効果によって天井側にこもりがちな暑さを軽減するほか、冬の寒さに関しても建物に冷気を直接触れさせないなど、屋外環境による影響を緩和している。

 各住戸の玄関脇の室名札パネルには日鉄興和不動産とゆかりの深い岩手県釜石市産の木材を使い、住戸内のトイレには天然木の棚板を設置。一部住戸には壁・天井に天然木を使ったクロスを使用するなど、木の手触りや香りを暮らしの中で感じられるようにしている。なお、1住戸については賃貸せず、木を生かしたサスティナブルな住環境を体験できる「宿泊体験型住戸」とする予定。

 賃料は1坪当たり平均1万8,600円で、同規模・同立地で鉄筋コンクリート造の賃貸マンションを建てた場合と同等と試算している。公式サイトオープン直後のため、募集状況や反響等については未公表。

 同社住宅事業本部開発推進部開発推進第二グループの柏熊将大氏は「当社の目指す『サスティナブルなまちづくり』の実現に向けて、木造マンションの推進は重要な取り組み。今回、ノウハウを蓄積できた。条件に合致する用地があれば積極的に取り組んでいく」と話した。

 また、三井ホーム施設・賃貸事業本部賃貸事業推進部賃貸住宅事業推進グループグループ長で、サスティナビリティ推進室ZEH・ZEB推進グループの依田明史氏は、「計画中も含めて10社弱のディベロッパーとモクシオンの供給を進めている。完成物件が増えてきたこともあり、大型木造施設系建築を含めて受注も活発化している。今後もモクシオンを積極的に供給していきたい」などと話した。

草屋根による屋上緑化スペース
住戸内には天然木のクロスを使うなど、木のぬくもり感を演出している

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