【ソウル=時吉達也】ロシアの軍事侵攻でウクライナを支援している隣国ポーランド政府は27日、韓国から戦車約千両、戦闘機48機などを購入する契約を結んだと発表した。総額は少なくとも10兆ウォン(約1兆円)に達するといい、韓国では過去最大規模の武器輸出となる。韓国政府は防衛産業を今後の輸出分野の主力に掲げており、ウクライナ戦争の〝特需〟を追い風に「軍需大国」への道を着実に歩んでいる。
発表によると、ポーランドは韓国から戦車「K2」180両の年内引き渡しを受けるほか、技術移転を通じさらに800両以上を現地生産する。韓国メディアによると、同戦車や戦闘機「FA50」が欧州に輸出されるのは初めて。今後の追加契約分を含めた契約総額が向こう10年間で25兆ウォンに達するとの見通しもあり、ポーランドのブワシュチャク国防相は契約締結式で「今回の武器契約はここ数年で最も重要なもの」だと強調した。
ポーランドはウクライナへの兵器支援に伴い、自国の「地上、空中戦力の空白を埋める」(同国防相)必要が生じていた。冷戦終結後、防衛産業が縮小傾向にあった欧州各国のロシア対応が後手に回る中、米国などとの商戦を制したのが韓国だった。