米ユダヤ人団体、長崎市を事前に繰り返し批判 「原爆の日」式典イスラエル不招待で

サイモン・ウィーゼンタール・センターのクーパー副所長(塩原永久撮影)
サイモン・ウィーゼンタール・センターのクーパー副所長(塩原永久撮影)

長崎市が9日の「原爆の日」に開く平和祈念式典にイスラエルを招待しないことについては、米ユダヤ系団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」が、2度の声明で批判や懸念を表明していた。

最初の6月25日付の声明は、日本で反ユダヤ主義が広がっていると指摘する内容。その一例として、長崎市の判断をあげた。平和を促進する式典にパレスチナ自治政府の代表を招き、イスラエル側を排除したことに不満を示し、「(イスラム原理主義組織)ハマスを支持し、テロリストを擁護する言説が日本で広がることを懸念する」と表明した。同センターのエーブラハム・クーパー副所長が山田重夫駐米大使宛てに書簡を送ったとしている。

7月31日付の声明は、長崎市を強く非難した。イスラエル不招待をめぐる鈴木史朗市長の判断は「道徳に反する」と位置付けた。昨年10月7日にハマスのイスラエル攻撃で犠牲となった約1200人を侮辱し、「テロリストを励ます」行為だと主張した。

そのうえで声明は、日本はかつてナチスの同盟国だったが、戦後は米国やユダヤ人社会との信頼や友好関係を築いてきたと振り返り、長崎市の決定は「信頼を損なった」と明記した。「原爆の日」の式典にイスラエルを招いた広島市との違いに触れた。(三井美奈)

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