「第9回水戸黄門漫遊マラソン」(水戸市など主催、産経新聞社共催)が27日、水戸市で開催され、1万621人のランナーが水戸の街を駆け抜けた。男子はガンドゥ・ベンジャミンさん(米沢市役所)が2時間19分2秒で優勝し、女子は小川暁子さん(児湯郡陸協)が2時間46分3秒で制した。
水戸市内は午前10時半過ぎにこの日の最高気温22.8度を記録、序盤は暑さを感じる気候だったが、徐々に涼しく走りやすいコンディションになった。ランナーは「偕楽園」や「千波湖畔」といったコース沿道の名所を見ながら、ゴールを目指した。完走者には水戸徳川家の「葵の紋」があしらわれた印籠型のメダルが贈られた。
大会ゲストの1991年世界選手権男子マラソン金メダリストの谷口浩美さんは、沿道でランナーに声援を送った。84年ロサンゼルス五輪代表でスポーツジャーナリストの増田明美さんは、還暦を記念して10年振りフルマラソンに挑戦。見事に完走し、ランナーに勇気を与えた。
還暦マラソン見事完走の増田明美さん 「亡き母思い出し…」
増田さんは、還暦を記念して10年ぶりにフルマラソンに挑戦し、5時間12分51秒で完走した。
前回大会の開始式で「来年は還暦、大好きな水戸でフルマラソンを走ります」と参加者に宣言し、今日まで日々の練習に励んだ。走り終えた増田明美さんは「前半は抑え気味だったけれど、後半ペースを上げて、最後の〝激坂〟も元気に走ることができた。この春に亡くなった母を思いながら走っていたが、30キロを過ぎると沿道からの『ありがとう、ありがとう!』という声援が、生前母がかけてくれた言葉にも重なり、勇気づけられた。水戸マラソンの応援は切れ間が無い。高橋市長を始め、関係者が一丸となって34地区をまとめてくれる。この一体感を肌で感じながら走ることできた。」と振り返った。
レースの模様は、12月27日放送予定のNHKBS「ランスマ倶楽部」で放送される。
レース終盤でランナー支える 高校生の応援
色鮮やかなちょうちんとキャンドル風のLEDライトで装飾された大会コースの名所のひとつでもある梅香トンネルでは、水戸市内の高校生のボランティア約180人がランナーの背中を後押しした。
ライトアップされた同地点はランナーからも好評で、レース終盤まで走り抜いた先に広がる幻想的な風景に、自然と心が癒やされる。
ペンライトを振ってランナーを応援した県立那珂高校2年の黒澤奈華(なな)さん(17)は、「トンネル内は暗いので、少しでも明るく目立つようにしている。ランナーも手を振り返したりしてくれて、応援してよかったなと思う。体育の授業で3キロ走ることがあるが、それだけでもキツいのでランナーは凄いなと思う」と、ランナーへの敬意を笑顔で語った。
自由な発想で激励 ランナー応援隊75団体
水戸黄門漫遊マラソンの大会の特徴でもあるコース沿道でランナーを応援し大会を盛り上げるランナー応援隊に、75団体1836名が参加した。
声援や楽器の演奏、飲食物の提供など独自のスタイルでの応援は、スタートからフィニッシュまで途切れることなくランナーの背中を後押しした。
フィニッシュ付近で、祭りばやしでランナーを盛り上げた水戸東照宮祭り連の代表、鈴木進也さん(47)は、「ゴール目前なので、最後にあと少しだけ頑張れ!という気持ちで応援している。ランナーのラストスパートに向けて、少しでも力になれれば。ランナーも『ありがとう』などと手を振ってくれて力をもらっている。今日は4歳から68歳の約30人で参加している」と話した。