中国BYD、日本販売6割増も台数はベンツの22分の1 ドイツ勢が依然強く 24年実績

日本自動車輸入組合が発表した2024年の輸入車販売台数によると、外国メーカーの1位はメルセデス・ベンツ、2位はBMW、3位はフォルクスワーゲンとなり、ドイツ勢の強さが改めて浮き彫りになった。一方で中国の電気自動車(EV)メーカー、比亜迪(BYD)の販売台数は前年比57・7%増の2383台に膨らんだ。ただ、台数の水準としては14位でベンツの約22分の1に過ぎず、ドイツ勢にはまだ及ばないのが現状。韓国のヒョンデ(現代自動車)も3割近く伸ばしたが、台数は618台で20位にとどまった。

BYDを巡っては24年度、政府によるEV補助金の減額が逆風になった一方、4月から俳優の長沢まさみさんが「ありかも!」とアピールするテレビCMを放映し、知名度を上げた。6月にはセダンタイプのEV「SEAL(シール)」を投入。同社とEV世界最大手を競う米テスラは日本での販売台数を公開していないが、「その他」に区分される5677台(前年比2・8%増)の大半を占めるとみられる。

報道陣に公開された、BYDのEVスポーツセダン「SEAL」=2024年6月25日午後、東京都渋谷区(鴨志田拓海撮影)
報道陣に公開された、BYDのEVスポーツセダン「SEAL」=2024年6月25日午後、東京都渋谷区(鴨志田拓海撮影)

ベンツの首位は15年から10年連続。24年は前年比3・8%増の5万3195台だった。2月に「Eクラス」を全面改良して発売。10月にはSUV(スポーツタイプ多目的車)「Gクラス」のEVを投入した。

日本市場から一時撤退し、22年に再参入したヒョンデの24年の販売台数は、前年の492台から25・6%増と急伸。6月にスポーツカーのEV「IONIQ 5 N(アイオニックファイブエヌ)」を発売した。618台という販売台数は、シボレーやジャガーを上回ったが、超高級車のフェラーリやマセラティ、ランボルギーニには届かない水準だった。

24年の外国メーカーの輸入車販売全体は、前年比8・5%減の22万7202台だった。

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