日本では学力は大学受験時をピークに低下する、といわれて久しい。大学入学共通テストの問題が新聞やネット上で公開されていたので恐る恐る見た。マークシート方式でも問題文が長く、小欄は読むだけで時間切れ。運に任せて鉛筆を転がすヒマもない。
▼学習指導要領改定に伴い、出題が注目されたのが地理歴史・公民だ。日本史と世界史を融合した新科目「歴史総合」では「歴史上における境界」をテーマに、19世紀後半の東アジア諸国の国境をめぐる問題のほか、各時代の移民、人の移動と感染症などに関連する出題もあった。
▼新科目の「地理総合」では自然環境と防災に関する出題のほか、外国との交流と生活文化の影響に関する問題も。事項の暗記だけでは正解がおぼつかない出題が工夫されていたようだ。