この「全能感」は一体どこから湧いて来るのか。大統領就任式からわずか1週間で第2期トランプ政権は勝ち誇ったようにおびただしい数の大統領令を発出した。南部国境とエネルギーに関する非常事態宣言を皮切りに、気候変動パリ協定や世界保健機関(WHO)からの離脱、国内エネルギー開発規制の緩和、2021年1月の連邦議会議事堂襲撃犯の全員恩赦など、大統領権限を行使する対象は森羅万象に及んでいる。
何をそんなに「急ぐ」のかといぶかる向きもあろうが、これは決して大統領の「気まぐれ」や「ご乱心」ではない。今回は第2期トランプ政権に関する筆者の見立てを書こう。