吉村洋文大阪知事、伸び悩む万博チケットの改善策直訴 維新の「遠藤敬氏頼み」も露呈

石破茂首相へ大阪・関西万博の入場チケットに関する緊急要望を行う吉村洋文大阪府知事(中央)と横山英幸大阪市長(左)=5日午前、首相官邸(春名中撮影)
石破茂首相へ大阪・関西万博の入場チケットに関する緊急要望を行う吉村洋文大阪府知事(中央)と横山英幸大阪市長(左)=5日午前、首相官邸(春名中撮影)

石破茂首相(自民党総裁)は5日、日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)と官邸で面会し、2025年大阪・関西万博の入場券販売が伸び悩む現状を踏まえ、「当日券」導入を検討する方針を伝えた。吉村氏から改善策を直訴され、「買えるようにしたい」と応じた。吉村氏は昨年末にも首相との面会を模索したが、実現していなかった。

万博の前売り券を巡っては、購入手続きが煩雑で分かりにくいとの指摘が参加国から相次ぐ。販売枚数は1月29日時点で約767万枚と、目標とする1400万枚には届いていない。

今回の首相面会の裏側で動いたのは、永田町・霞が関に幅広い人脈を持つ維新の遠藤敬前国対委員長だった。吉村氏は昨年12月に上京した際にも首相と面会するため官邸にアクセスしたが、話は立ち消えになっていた。そこで吉村氏は1月末に側近を遠藤氏の元に派遣し、官邸や自民との調整を依頼し、5日の〝直訴〟にこぎつけた。

先の衆院選で議席を減らした維新は、遠藤氏を含む前執行部が退陣し、「密室政治」批判などを訴えた吉村氏が代表に就いた。だが、維新の国政での凋落(ちょうらく)は止まらず、今では前執行部の人脈に頼らなければ党外との交渉がままならないほど追い込まれている。執行部の一人は「外交は遠藤さんがやってくれるんやろ」と語り、今後も「遠藤頼み」を続けると宣言した。(千田恒弥)

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