関西の議論

文化庁もあきれた、「太子道」日本遺産落選でまさかの協議会内紛…「和をもって貴しと為す」は守られず

【関西の議論】文化庁もあきれた、「太子道」日本遺産落選でまさかの協議会内紛…「和をもって貴しと為す」は守られず
【関西の議論】文化庁もあきれた、「太子道」日本遺産落選でまさかの協議会内紛…「和をもって貴しと為す」は守られず
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 かつて聖徳太子が往来したとされ、太子にまつわる多くの伝承が残る奈良と大阪の古道「太子道(たいしみち)」。ゆかりの地を一体となってPRするため、文化庁の「日本遺産」認定を目指して両府県の関係自治体などで結成された協議会が今夏、突然解散した。世界遺産・法隆寺や太子の愛犬と伝わる「雪丸」像がまつられた達磨寺(だるまじ)など、ゆかりの文化遺産が豊富な古道の認定はなぜ、幻と消えたのか。背景を探ると、自治体間の思惑の違いや意思疎通の難しさが浮かび上がった。

聖徳太子が往来した歴史ある古道

 太子道は、法隆寺を起点に太子が生まれたとされる橘寺(奈良県明日香村)を結ぶ「筋違(すじかい)道」(約24キロ)と、法隆寺から太子の墓がある叡福寺(大阪府太子町)に至る、太子の遺体が運ばれた「太子葬送の道」(約20キロ)の2本をいう。国づくりに奔走する太子が往来した道として古文書にも登場し、沿道には太子にまつわる多くの言い伝えが残る。

 一方、日本遺産は地域振興を目的に、文化庁が平成27年度に創設した認定制度。地域に伝わる有形・無形の文化財をストーリーで結んで価値付けするもの。現在、全国で54件が認定されている。認定されれば、整備・発信のための補助金約4千万円が国から支給されることから、地域振興に役立つとして各地で申請活動が盛んだ。

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