南北両首脳が乗ったオープンカーは制裁違反?

沿道で歓迎する平壌市民に手を振って応える北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(右)と韓国の文在寅大統領=9月18日(朝鮮中央通信=朝鮮通信)
沿道で歓迎する平壌市民に手を振って応える北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(右)と韓国の文在寅大統領=9月18日(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

 【ソウル=桜井紀雄】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が9月の南北首脳会談で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と平壌市内のパレードで乗ったオープンカーについて、国連安全保障理事会の制裁に違反する疑いがあることが分かった。米政府系の「ラジオ自由アジア」(RFA)が30日までに、安保理の北朝鮮制裁委員会が北朝鮮への搬入ルートを調査していると報じた。

 車両は、独メルセデス・ベンツ製の「マイバッハS600プルマン・ガード」の改造車とみられ、価格は約1億円に上るとも報じられている。安保理は2006年から北朝鮮へのぜいたく品輸出を禁じている。

 制裁委の専門家パネルは16年、中国人実業家が防弾仕様のベンツを違法に北朝鮮に輸出した疑いを報告書で指摘。米政府は今年9月、この中国人と経営する会社を制裁対象に加えた。

 金氏が文氏に贈ったマツタケ2トンや、制裁対象である平壌の美術工房への文氏の視察に関しても、安保理が制裁に抵触しないか調べているという。お返しに文氏が平壌に送ったミカン200トンについては、韓国外務省当局者が「経済的利益と関係なく、制裁と無関係だ」と強調している。

会員限定記事

会員サービス詳細