ポンペオ米国務長官、中東関与継続を強調 カイロで演説

 【カイロ=佐藤貴生】中東歴訪中のポンペオ米国務長官は10日、エジプトの首都カイロで米国の中東政策に関して演説した。シリア情勢では軍事拠点化を目指しているとされるイランや、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の脅威の除去まで関与を続けるとし、トランプ米大統領が表明した米軍のシリアからの撤収をめぐるアラブ諸国の不安の払拭に努めた。

 ポンペオ氏は「米国が退却したとき、混乱が訪れた」とし、中東地域への関与に消極的だったオバマ米前政権の姿勢を暗に批判。米国は「善」の勢力であり、トランプ政権はアラブ諸国との連帯を構築していると違いを強調した。

 イランのシーア派による統治体制には経済制裁を含めて徹底的に対抗する姿勢を示し、シリアからイランを締め出すまで関係国と協力して外交面でも力を尽くすと表明した。

 シリアに隣接する同盟国イスラエルへの軍事支援を続ける意向を示し、イスラム過激主義との戦いでは「敵が現れれば空爆を続ける」と強調。イランの影響下にあるとされるレバノンのシーア派民兵組織ヒズボラについても警戒感を示した。

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