いざ、アピール!! DeNA・度会隆輝外野手(22)が3日、沖縄・宜野湾キャンプで快音を響かせた。フリー打撃で40スイング中4連発を含む10本の柵越えを披露。最短距離で球を捉える意識で振り込み、オフの強化で鋭さを増した打棒を発揮した。勝負の2年目を迎えた大器は頭も使い、貪欲に定位置を奪い取る。
宜野湾の冷たい風にさらされ、バックスクリーンにそびえるチャンピオンフラッグがはためく。体にこたえる寒さに負けず、度会が力強くバットを振った。40スイングしたフリー打撃で10本の柵越え。右方向を中心に4連発を放ち、明るい口調で手応えをにじませた。
「よかったっすね。左投手からセンター方向にも強い打球を打てていた。イメージはいい」
巧打の左打者が心掛けるのは、ボールを最短距離で捉えるスイング軌道。田代野手コーチの助言を受け、遠回りする左腕の使い方を見直している。意識づけの一環として左手一本でバットを握り、肘をたたみながらコンパクトに振るティー打撃を繰り返しており、フリー打撃でも同じ形を頭に置いた。
このオフは主食、主菜、副菜を整えた食事をとり、体づくりに励んだ。昨年は体重83キロでシーズンに入ったが、夏場に74キロまで落ちた。ウエートトレーニングの成果もあり、現在は85キロに。朝の早出から始まったこの日は全体練習後の個別メニューでもバットを振り込み、「(てのひらの)まめがちょっと痛い」と笑いながら夕方に宿舎へ戻った。
昨季はセ・リーグの新人で初となる開幕戦からの2試合連続本塁打で華々しくデビュー。ドラフト1位で入団した大器の片鱗(へんりん)を示したが、シーズン後半にかけて失速し、出場75試合で打率・255、3本塁打、24打点だった。「野球脳を高くしたい」とオフの取り組みに精を出し、キャンプでも頭を使いながら汗にまみれている。三浦監督は「今年は少し考えてやっている。悔しい思いを忘れずにやっている」と成長ぶりを評価した。
新任の村田野手コーチは指導を始めて間もないが、飛距離に確実性を兼ね備える度会の打撃を「本当に器用」と認める。「だからこそ、枝葉をつけるんじゃなくて一本の幹をつくらないといけない。考え方もそう。カウント別のスイングや出塁目的の野球ができたらいい」と続けた。
筒香、佐野、梶原らとの熾烈(しれつ)な外野手争いで定位置奪取を期す2年目。「毎日が勝負。開幕スタメンが目標。必ずいなきゃならない場所」。22歳のホープは、競争を勝ち抜く覚悟だ。(鈴木智紘)
★先輩・京田らと食事でリラックス
2度目のキャンプに臨む度会には〝心の余裕〟が生まれつつある。鳴り物入りした昨年は一挙手一投足にファンや報道陣の注目が集まり、練習の流れをつかむのにも一苦労があった。兄のように慕う先輩の京田らと食事に出かけるなどオンとオフのメリハリをつけており「やりやすさは去年よりある」とうなずいた。