ブルペンで投球練習を行うドジャース・大谷翔平 =米アリゾナ州グレンデール(撮影・佐藤徳昭) 【グレンデール(米アリゾナ州)18日(日本時間19日)=横山尚杜、丹羽政善通信員】米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手(30)がキャンプ2度目のブルペン入りで直球を中心に21球を投じた。
大谷の球質が2023年以前と比較し、変化していることが本紙の調べで分かった。キャッチボールの段階から直球の回転効率が23年の76%から10%近く上昇した。回転効率とは、ボールの回転数がどのくらい変化量に反映するかを示す数値。直球の場合、回転効率が100%であれば地面と並行の回転軸で完璧なスピンの球となる。いかにボールが伸びているかを示す縦変化量も、昨季までの14インチ(約35.5センチ)前後から4インチ(約10.1センチ)ほど増加した。
その鍵は腕の角度(アームアングル)にある。リリース時の腕の角度は地面に対して20年と21年は45度、22年が39度、23年が36度と年々、右肘が下がっていた。今キャンプでは明らかにオーバースローに近いフォームで投球。右肘の位置が上がり、リリースポイントも高くなったことで効率の良い縦回転のスピンを生み出しているとみられる。
直球の動きは「回転数×回転効率」で決まる。回転数が高くとも回転効率が悪い場合、縦変化は小さくなる。昨季、ホップ成分の大きい直球を武器に174奪三振をマークした今永(カブス)は直球の回転効率が99%を誇る。大谷が本格的な投球を再開した後も、現状に近いフォームであれば直球の空振り率増加が狙え、体の近くを腕が通ることから、右肘への負担軽減も期待できそうだ。