――師匠、今シーズンはいつもの千葉・木更津方面のハゼがあまり良くないって聞いたんですが、どうなんですか。
「う~ん、確かにここ何年かでは悪い方の部類と言ってもいいかもしれんな。もう2度ばかり行ったんだが、型のいいのは結構交じって来るんだが、数は伸びない」
――数は伸びないってどのくらいの釣果なんですか。
「1度目は、8月の中頃に出掛け三十数匹、2度目は先週(9月の第2週)出掛けて四十数匹だった。いずれも17、18センチのヒネと思われるサイズが7、8匹ずつ交じったが、13、14センチ級が十数匹、残りが10センチ前後って感じだった」
――確かに師匠にしては数が少な過ぎますね。
「とにかく、同じポイントで5匹、6匹と釣れることがほとんどなく、2、3匹釣ると、アタリが無くなっちまうんだから束釣り(100匹以上)なんかとてもできる感じがしない」
――魚影が薄いってことなんですか。
「う~ん、全くいないわけではないし、探って歩けばそれなりにアタリはあるんだが、去年と比べてもアタリの数は半分以下って感じだな」
――そんな中で、師匠がよく言っている隅田川沿いの運河群は、好調に釣れているって聞いたんですが。
「ああ、その通りだ。俺は、今シーズンはまだ行っていないんだが、仲間たちがあちらこちらでいい釣りをしているって聞いている。木更津方面に比べればサイズは小さいが、お彼岸も過ぎて10~12、13センチ級の十分天ぷらになるサイズも増えて来たようだから、短竿(2・1~3・3メートルくらい)を使えば十分に面白い釣りができるんじゃね~か」
――隅田川沿いの運河群ていうとどんな川ですか。
「小名木川、横十間川、北十間川、仙台堀川、大横川等いくらでもあるじゃね~か。見上げればどこからでも東京スカイツリーが見えるようなところだよ」
――釣りはどこでもできるんですか。
「基本的にはどこでもOKだが、遊歩道が付いている場所なんかじゃ、通行人の邪魔にならないようにしないとな。また、ごく一部だが、釣りを禁止にしているところもあるから、その辺は気を付けた方がいいな」
――分かりました。東京のど真ん中でのハゼ釣りなんて断然面白いじゃないですか。師匠、行ってみましょうよ。
「そうだな。隅田川水系ならほとんどの所が、地下鉄で行けるからな。久しぶりに行ってみるか」
――行きましょうよ。父も誘っておきますね。
「おお、分かった」