日大アメリカンフットボール部の悪質な反則問題で、日大教職員組合が11日、背景に学校法人のトップである田中英寿理事長(71)の一元統治体制があるとして、田中氏や理事を務める大塚吉兵衛学長(73)の辞任など、上層部の一新を迫る要求書に賛同する教員ら752人分の署名を大学側に提出した。
署名活動を行えなかった学部があることについて質問されると、「内部的な問題かもしれませんが、校舎立替とか、どうしても本部に逆らえないような状況」があり、組合の支部や組合員がいない学部では活動ができなかったと答えた。
今回の騒動で各学部からも批判の声をあげるべきではないかという声があがったとしつつも、学部長は大学全体の理事でもあるため「そういうことをすると、学部が報復されるというようなことで、学部としてはとてもそういうことはできない」と判断していることを明かした。
「教授会あるいは学部執行部がそのように動けないということで、私たち組合が動くしかないというような状態です。組合員がいない、あるいは組合支部がないような学部ですと、個人的には呼びかけても、やはり非常におびえている。たとえ名前を隠しても、それは探り出されて報復されるんじゃないかと、非常に強いおびえがあります。ですから、このような結果になっています」と説明した。
今回集まった752人分の署名については、「教員の中でもなんとなくおかしいなと思っていた人が多かった」と手応えを得て、「組合の方々は日大の良心です」というメールがあったことも明かした。その一方で「報復が怖くないですか」と質問されることも多く、「怖くないと言ったらうそです。怖いです正直に言うと。でも今回のことは誰かがいつか、やらなければならなかったことだというふうに思っています。それがたまたま私たちだったと理解しています」と、矢面に立つリスクを承知しながらも活動していることを明かした。