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都道府県別・10大費目別消費者物価地域差指数の構造により各都道府県を8つのタイプ(型)に分類
1 都道府県の分類
統計分析手法として知られているクラスター分析(※1)を,平成25年消費者物価地域差指数の10大費目(※2)別指数に適用することで,都道府県を8つの型に分類することができます。
「2 分類ごとの特徴」では,8分類について,物価構造の特徴を分析します。また,分類をしていく際の考え方について,「タイプ(型)を特徴付ける主な10大費目は,「住居」,「光熱・水道」及び「教育」」で改めて詳細に解説を行います。
図1-1 10大費目別地域差指数によるクラスター分析 都道府県別分布
図1-2 デンドログラム(※3)
※1) クラスター分析とは,似ているものを集めて分類し,その中から意味のあるものを発見するデータマイニング手法の一つです。本トピックスでは,クラスター間の距離の測定方法にウォード法(距離はユークリッド距離を使用)を採用しました。
※2) 各費目を構成する主な品目は次のとおり
【食料】穀類,肉類,外食など | 【住居】家賃,設備修繕維持費など |
【光熱・水道】電気代,ガス,水道代など | 【家具・家事用品】白物家電,食器類など |
【被服及び履物】和服,洋服,履物など | 【保健医療】医薬品,診療代など |
【交通・通信】自動車購入料,ガソリン代,携帯電話通信料など | 【教育】授業料,補習教育など |
【教養娯楽】教養娯楽用耐久財(テレビ,パソコンなど),宿泊料,受信料など | 【諸雑費】理美容サービス・用品,かばん類など |
※3) クラスターにまとめられていくさまを樹形図の形で表したものをいいます。
2 分類ごとの特徴(*)
分類1の特徴
全体的に高い |
分類1の東京都及び神奈川県の傾向として,住居が全国平均と比較して極めて高くなっています。また,ほぼ全ての費目において,全国平均よりも高くなっており,同じ首都圏の中でも突出していることから,首都圏高水準型の分類といえます。
図2-1 分類1に属する都県の10大費目別指数(全国平均=100)
分類2の特徴
教育及び家具・家事用品が高い |
分類2に区分された福井県,京都府及び大阪府の傾向として,特に教育及び家具・家事用品が全国平均より高く,これらが物価水準を引き上げています。この3府県はいずれも近畿圏に属していることから,近畿圏高水準型の分類ということができます。
図2-2 分類2に属する府県の10大費目別指数(全国平均=100)
分類3の特徴
全費目で全国平均(=100)程度 |
分類3に区分された県の傾向として,全費目で全国平均=100に近い円型をしており,バランス型の分類といえます。首都圏,中京圏及び近畿圏に属する大都市を擁する県のうち,分類1及び2に属する都府県を除く県に和歌山県を加えた県から構成されています。
図2-3 分類3に属する県の10大費目別指数(全国平均=100)
分類4の特徴
住居が低い |
分類4に区分された道県の傾向として,住居が全国平均と比較して低くなっている一方で,被服及び履物は全国平均よりも高くなっています。この区分に属する道県は,特に地理的にも気候的にも大きく異なる北海道と沖縄県が同じグループに属しているなど,地理的な偏りがなく全国に散らばっており,被服及び履物が高いタイプ(型)の分類といえるでしょう。
図2-4 分類4に属する道県の10大費目別指数(全国平均=100)
分類5の特徴
住居が低い |
分類5に区分された県の傾向として,住居が全国平均と比較して低くなっています。それ以外の費目については全国平均と同程度で,住居のみ低いタイプ(型)の分類といえます。この区分には,主に四国及び九州地方の県が多く属しています。
図2-5 分類5に属する県の10大費目別指数(全国平均=100)
分類6の特徴
住居及び教育が低い |
分類6に区分された県の傾向として,住居及び教育が全国平均と比較して低くなっている一方で,光熱・水道は全国平均よりも高くなっています。また,この区分は,主に東北と中国地方の県が属しており,光熱・水道が高いタイプ(型)の分類といえます。
図2-6 分類6に属する県の10大費目別指数(全国平均=100)
分類7の特徴
住居及び教育が低い |
分類7に区分された県の傾向として,住居及び教育が全国平均と比較して低くなっています。また,分類6とは異なり,光熱・水道も抑えられています。この区分には進学県・教育県と言われている富山県と長野県が属しており,住居及び教育が低いタイプ(型)の分類といえます。また,この分類に属する県は,分類8と同様に,主に本州の中央付近に位置しています。
図2-7 分類7に属する県の10大費目別指数(全国平均=100)
分類8の特徴
多くの費目で全国平均(=100)以下 |
分類8に区分された県の傾向として,特に住居及び教育が低くなっており,その他多くの費目も全国平均と同程度か低いため,全体的に低いタイプ(型)の分類といえます。また,この分類に属する県は,分類7と同様に,主に本州の中央付近に位置しています。
図2-8 分類8に属する県の10大費目別指数(全国平均=100)
*) レーダーチャートには,見やすさのため3つを上限に,(1)各分類の特徴を表し,(2)地域がなるべく偏らないように都道府県を選択し,掲載しました。
各都道府県の10大費目別結果はこちらを御参照ください。http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001128241(表番号1)