レポート情報通信機器業界の動向と展望

2024/12/26
家電・情報機器

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■情報通信機器製造業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図

■業界の概要

情報通信ネットワークを構築する機器を製造

通信機器製造業は、通信ネットワークを構築するための機器を製造する。具体的には携帯電話端末、ルーター、スイッチ、基地局、光通信機器、無線通信機器などが挙げられ、いずれもモバイル通信やデータ通信において重要な役割を果たしている。

情報機器製造業は、コンピューター、サーバー、スマートフォン、タブレットなどの電子情報機器を製造する。これらの機器は日常生活やビジネスシーンで広く利用されており、情報化時代に不可欠な存在となっている。

これらは20世紀後半から21世紀初頭にかけて性能や機能が飛躍的に向上し、両者を組み合わせた情報通信ネットワークが現代社会の基盤を形成している。ここでは両者をあわせて「情報通信機器」業界として取り扱う。

スマホインフラ需要が一服も、新技術による新市場創出に期待

日本の情報通信機器市場は、1990年代後半からのインターネットおよび携帯電話の普及、2000年代後半からのスマートフォンの普及によって大きく拡大した。とくに、持ち運びできる通信機器兼コンピューターであるスマートフォンの普及は通信データ量を著しく増大させ、それに対応するためのインフラ需要を加速させた。

その構築が一段落したことから通信会社の設備投資が抑制され、市場拡大は一服している。しかし、将来的にはIoT(モノのインターネット)、ビッグデータ、AI(人工知能)・ロボットを活用した新技術や新サービスなどにより、通信データ量のさらなる増加が見込まれる。そのためネットワークインフラ装置を中心に、市場の再拡大が期待されている。

国のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進策による下支えも期待される。「デジタル田園都市国家構想」では、構想を支えるデジタル基盤の整備をハード・ソフトの両面から推進していく方針。具体的には、光ファイバーや5G・Beyond 5G、データセンター、海底ケーブルなどの通信インフラ整備が計画されている。

グローバル競争への対応

情報通信機器市場はグローバル化が進んでおり、日本メーカーは海外の大手企業との競争に直面している。

日本メーカーは、光通信や無線通信における先端技術や高性能なネットワーク機器の分野で強みを持つ。一方、価格競争力の面では課題を抱え、とくにパソコン、スマートフォンをはじめとする民生品の分野では、中国、韓国、台湾などのメーカーに圧倒されている。

通信技術の進化は非常に速く、迅速な開発が求められる一方で、技術開発にかかるコストは増大している。そのような中で日本企業の強みをいかにして維持していくかが、課題となっている。

アジアやアフリカなどの新興国では、インフラ整備が進められる中で通信機器の需要が増大している。これらの需要を取り込むことも、日本の情報通信機器業界の課題となっている。

■業界天気図

業界の情勢を、「快晴/晴れ/薄日/曇り/小雨/雨/雷雨」の7段階で表しています。

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