名古屋出入国在留管理局(名古屋入管)でスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=が収容中に死亡した問題で、名古屋地検は17日、殺人容疑で告訴されていた当時の名古屋入管職員13人を「嫌疑なし」として不起訴にした。
13人は当時の局長や警備監理官、看守責任者ら。金山陽一次席検事は「死因の特定に至らず、不作為による殺人や殺意を認める証拠がなかった」と説明。保護責任者遺棄致死罪や業務上過失致死罪の適用も検討したが、死因が不明で職員の行為と死亡の因果関係を認定できなかったという。同じ理由で、支援者による刑事告発についても不起訴とした。
ウィシュマさんは2020年8月に収容され、昨年1月から体調が悪化。2月に尿検査で「飢餓状態」を示す異常値が出たが、点滴などの治療を受けられないまま3月6日に死亡した。
遺族は昨年11月、「保護する義務があったのに適切な医療を提供しなかった。死亡しても構わないという未必の故意があった」として、殺人容疑で当時の局長らを刑事告訴していた。
名古屋入管は「捜査当局の判断について回答する立場にない」としている。
◆「素人でも死にそうと分かるのに」 検審申し立てへ
ウィシュマさんの遺族は17日、名古屋地検を訪れ、不起訴の通知を受けた。代理...
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