新型コロナウイルスの影響で、仕事や住まいを失う人の増加が懸念される中、年末年始に民間団体による食品配布や生活相談が都内各地で行われる。「年越し支援コロナ被害相談村」を東京都新宿区の大久保公園で開く労働組合や弁護士らは28日、都内で会見し「何とか年末年始の住居と食事をつなぐ緊急的な対応ができれば」と訴えた。(井上靖史、中村真暁)
◆12年前の「年越し派遣村」
相談村参加メンバーの多くがリーマン・ショック後の2008年末、東京の日比谷公園で「年越し派遣村」を開いた人たち。当時は中高年男性が多かったのに対し、コロナ禍では女性や若者、学生、外国人からも支援団体に相談が寄せられているという。
棗(なつめ)一郎弁護士は「立場の弱い非正規労働者らが雇用の調整弁として切られる構造は12年前と何も変わっていない」、作家の雨宮処凛さんは「いま受けているメール相談は全体の2~3割が女性から。住まいを追い出されたという方、特に若い女性も多く、驚いている」と話した。
一方、約40支援団体による「新型コロナ災害緊急アクション」は、住まいや仕事の相談会を31日に東京都豊島区内、容器に入れた温かい料理を提供する「年越し大人食堂」を1月1、3両日に同千代田区内で開く。
◆「食べ物の力でつながる時間を持ちたい」
料理研究家でビッグイシュー基金の枝元なほみ共同代表は、大量の食品が廃棄されている一方、食事が十分にとれない人がいる現状を指摘し「そんなふうでいいはずがない。食べ物の力でつながる時間を持ちたい」と強調した。
つくろい東京ファンドの稲葉剛代表理事は「この時期に、人生で初めて路上生活をせざるを得ない人の絶望や孤立を防ぎ、一人ではないと伝えたい」と訴えた。
宇都宮健児弁護士は「幅広い層に貧困が広がっている。今一番大...
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