COLUMN: Towa Tei's SIDEWORKS 94-14
89年ニューヨークにて、スーパー・アメリカンなハウス・ユニットDeee-LiteでDJ/トラックメーカーとして鮮烈にデビュー、その後94年に帰国、以後現在に至るまでダンス/ポップ・ミュージックの最先端を横目にしつつも常に独特なポジションからオルタナティブな音楽を披露しているミュージシャン、テイトウワ。tofubeatsのメロウ・アンセム『水星(feat.オノマトペ大臣)』の印象的なリフが元々KOJI-1200(お笑い芸人の今田耕司をニューウェイヴ/グラムロック/ハウスミュージシャンとしてテイトウワがプロデュースした90年代の隠れた名物ユニット)の上品にニューヨーク・マナーなR&Bチューン『ブロウ・ヤ・マインド』のサンプリングだった事は有名だ。(いわゆる『界隈』での彼のサンプリング・チューンとしては近年では他にPUNPEE× Satanicpornocultshop『bad habit』における『Funkin' for Jamaica』使いなども挙げられる)
今月、94年から数えてソロデビュー20周年を記念してリリースされた「94-14」とタイトルに記された3枚のベストアルバム――それぞれソロアルバム、カバー曲、リミックス曲のベストは、彼の音楽性を俯瞰で知る上でまたとない良企画だ。初収録となる楽曲やセルフカバーもあって、旧来からのファンにとっても、今一度彼の変遷を辿るにはとてもいい機会だろう。
その一方で、今回のベスト企画では扱われなかった、彼の他アーティストへのリミックス曲、プロデュース、客演、いわゆるサイドワークでも、もう一度聴かれるべき名作、佳作は数多く存在する。この記事では彼のそんな仕事を、筆者のわかる範囲で時系列順にまとめてみた。