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パリ・オペラ座バレエ団、新シーズンの幕開けを祝うガラに潜入!

9月24日(現地時間)にガルニエ宮で行われたパリ・オペラ座バレエ団のオープニング・ガラ公演。バンジャマン・ミルピエから、オーレリー・デュポンが芸術監督を引き継ぎ初めてとなる今シーズンは世界中から注目されている。世界で最も格式高いカンパニーによる壮観な夜を、『VOGUE JAPAN』コントリビューティング・エディターのマルコ・マティシクがレポートする。
Photo: Romaine Mayoussier

ガルニエ宮で行われたパリ・オペラ座バレエの今シーズンのオープニングは、私の想像をはるかに超えていた。会場に到着してまず我が目を疑うほど驚かされたのは、ディオール(DIOR)ロレックス(ROLEX)などの顧客を抱える著名なフローリスト、エリック・ショーヴァンが手がけたエキゾチックで退廃的な花々の装飾だった。

大理石の正面階段に飾られた美しい蘭をはじめとするトロピカルな花々は総重量なんと44トン! この壮大な夜に招かれたことを、誇りに思う。

シャガールが描いた美しい天井画の下で、エヴァ・ハーツィゴヴァ、ヤズブキー、ベトニー・ヴァーノン、エリー・トップ、ピーター・フィリップス、 そして アレクシ・マビーユらの友人たちに囲まれて席につくと、オペラ座総監督ステファン・リスナー、そして今シーズンから芸術監督を務めるオーレリー・デュポン率いるダンサーたちによる「デフィレ」を堪能した。「デフィレ」とはバレエ団の頂点を極めるエトワールから、ソリストであるプルミエ・ダンスール、群舞のコール・ド・バレエ、そしてパリ・オペラ座バレエ学校の生徒たちが一堂に介しステージを行進するパリ・オペラ座バレエ団、門外不出のナンバーである。

スーパーモデルのエヴァ・ハーツィゴヴァ。Photo: Romaine Mayoussier

ウィリアム・フォーサイス振付「Blake Works I」より。

7月初旬、私は幸運にもジェイムス・ブレイクの音楽にインスパイアされた天才コレオグラファー、ウィリアム・フォーサイスによる「Blake Works I」を鑑賞し大変感銘を受けたが、さらにこの夜お披露目となった、カナダ人振付家クリスタル・パイトによる「The Season's Canon」(音楽はアントニオ・ヴィヴァルディ作曲の協奏曲「四季」をマックス・リヒターが再構築)には、感激のあまり涙してしまった。この新作も「Blake Works I」同様、熱狂的な喝采を受け、スタンディングオベーションで讃えられた。ブラボー、ブラボー、ブラボー!

Photo: Romaine Mayoussier

最高の夜はまだまだ続き、600名のファンドレイジングゲストやセレブたちが出席するエクスクルーシブな晩餐会へ。ディオール(DIOR) のオートクチュールとブラックタイを身にまとったエトワールら、主役級ダンサーたちも姿を現した。

Photo: Romaine Mayoussier

豪華なコースディナーはミシュランで星を獲得した3人の有名シェフたち、ラ・マドレーヌ=ス=モントルイユの「ラ・グルヌイェール」のアレクサンドル・ゴーティエ、パリの「アブリ」の沖山克昭シェフ、そしてヴィッド・トゥタンによるもの。フィリップ・セレイス・ド・ロスシルドのワインと、ルイナールのシャンパーニュもふんだんに供された。

Photo: Romaine Mayoussier

ディナーのあと、私はディオール(DIOR)の白いサテンのノースリーブと、ゆったりした黒のスカートを身にまとったオーレリー・デュポンにインタビューする機会を得た。エネルギッシュでカリスマ性溢れる彼女はは部屋で私だけのためにピルエットを決めて見せ、"I love you"と言葉をくれた。思い出すと今でも天にも昇りそうだ!

明け方アフターパーティの会場から新鮮な空気の中へ一歩足を踏み出すと、ディオール オムが気高く香り、この完璧な一夜の思い出を鮮明に呼び起こしてくれたのだった。