Waseda Law School早稲田大学 大学院法務研究科(法科大学院)

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早稲田ロースクール稲門会奨励賞 2016年度受賞者が決定

2016年度早稲田ロースクール稲門会奨励賞受賞者

  • 五十嵐 将志 氏
    活動内容:新しい法的サービスのビジネスモデルを構築し、これを提案した
  • 稲村 宥人 氏
    活動内容:震災被災地への法的支援、公益性のある法情報の発信を積極的に行った
  • 家久来 美穂里 氏
    活動内容:「つなぐ企画」の代表として、新たな企画の開催など主体的に運営を行った
  • 竹口 文博 氏
    活動内容:臨床に根差した医学と法学との架橋を試み、医事法関係の研究・発表を行った
  • 吉田 篤美 氏
    活動内容:子どもの貧困という現代的問題に対し、一貫して積極的に取り組んだ
総評

本年度における応募者は、いずれも、その活動分野の多様さはもとより、公益性の高さ、獲得成果の有用性・有望性及び取り組み意欲の高さにおいて、ここ数年にないハイレベルなものであった。その結果、過去最多の5名の受賞者を選出することとなった。来年度以降も、このような積極的取り組みが続くことを念願している。

五十嵐 将志 氏 選考理由

五十嵐氏は、持続可能な法的支援スキームの実現のため、「新しい法的サービス研究会aruno」を設立し、新しい法的サービスの開発を試み、「子どものための弁護士サービス(キズニー)」というビジネスモデルを考案し、WASEDA-EDGEコンペティションにおいて高い評価を得た。ビジネスモデルの提案という活動自体が意欲的なものであることはもちろんであるが、その内容の具体性には大変優れたものがあると認められる。
また、このモデルは、法曹界が直面している活動領域の拡大という課題にも正面から取り組んでいるという意味においても新規性が認められる。今後、ロースクールの内外で活動を継続する予定であり、継続性及び発展性という観点からも評価できる。

稲村 宥人 氏 選考理由

稲村氏は、東日本大震災の被災地への法的支援活動(「SAFLAN」)に従事し、被災地で生じている法的問題、及び、現場での法曹の活動のあり方に直接触れるという経験を積極的に積んでいる。その際、ネット番組のインタビュアー等として被災地支援の広報活動にも意欲的に参加しており、活動の公益性も高い。
また、一般の方に対して法情報をわかりやすく伝える目的で「政治資金の透明化」を主眼としたインターネットサイト(「ラポールジャパン」)を自ら開設し、自身の法的知見を基にした社会問題や法案の解説記事を多数執筆・公表し、社会問題との接続の機会を得るべく様々な活動に参加しており、公益性ある活動に積極的に取り組んでいる。
さらに、Law&Practiceの編集長として、10周年記念にふさわしい興味深い座談会等の企画を実施し、高い意欲が認められる。

家久来 美穂里 氏 選考理由

家久来氏は、法務研究科承認団体「つなぐ企画」の代表として、①在学生とAAとの交流企画(「AA交流会」)の実施、②企業訪問会及び企業のインハウスロイヤーを招いたパネルディスカッションなど、在学生の将来の進路構想に関わる諸企画の立ち上げ、③LGBT支援に関する弁護士ネットワークの会議への参加などを行った。
これらの活動は、今後も実施され、また更なる発展が見込まれるため継続性がある。加えて、かかる諸企画の実施は、同団体の活動に向けた同氏の意欲の高さと積極性を表している。特に、企業訪問等の企画(上記②)は、在学生が自身の将来の法曹像を構想するにあたってその視野を広げるという点で非常に有益な機会であり、これまでにない種類・内容の交流企画としてその新規性は高い評価に値する。また、LGBT支援に関する弁護士の会議への参加(上記③)は、公益性を有する弁護士の活動領域に目を向けた企画であり、この種の企画を契機として、在学生が、当該活動をはじめとした公益性の高い法曹の活動領域に今後ますます関心を向ける契機となった。
以上のとおり、同氏の活動は継続性、積極性、新規性、公益性等の点で特に評価に値する。

竹口 文博 氏 選考理由

竹口氏は、医師として大学病院の医局に在籍しながらロースクールでの学修を継続しており、週末には、医師数が減少した東日本大震災被災地であるいわき市での診療に従事した。そのような境遇から、同氏は、医事法関係の法分野にも関心を持って学修を進め、その中で「透析治療の中止・不実施」に係る法的問題について自発的・積極的に研究を進めてきた。その成果として、日本透析医学会の学会誌(日本透析医学会雑誌49巻9号〔2016年〕)に論説「透析の見合わせに関する刑法的許容性の根拠の検討」を発表し、それに基づいた著作物も刊行している。
透析治療の中止・不実施は、透析医療の現場において現在焦眉の問題の一つとされているということであり、この問題に関して医学的知見と法的知見の両方を基にした論説を展開・公表することは、今後の議論の土俵設定や、医療現場における具体的指針の確立を促す活動として、その意義は非常に大きいものと考えられる。
また同氏が、法務研究科の学修を通じて得た法的知見を基に、自身の所属する東京医科大学において「法的紛争を予防するカルテ記載方法」と題する臨床実習科目を開講し、医学教育と法学教育との架橋を試みているという点が評価に値するところである。

吉田 篤美 氏 選考理由

吉田氏は、大学時代のボランティア体験を契機に、子どもの貧困に関する問題に取り組むNPOに参加し、さらにそれをテーマとする勉強会や意見交流会を自ら企画・運営した。また、ロースクールでは、StreetLawの代表として、高校生を対象とした法教育授業を初めて実施し、実施先の学校からも高い評価を得た。
これらの活動は、子どもの権利の擁護や貧困問題への対処という一貫した問題意識に基づくものであり、高い自主性が認められるとともに、法的知見を有する者による関与が期待される現在の社会問題に積極的に対応するものとして、高い公益性があると考えられる。

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