ポーラ・オルビスホールディングス傘下のACROは、「スリー(THREE)」がブランド誕生15周年を迎えるのを機に新領域“摂る香り”に参入する。第1弾は口の中で香りを楽しむ“口中香”に着目し、ジンとグミ、深呼吸サポートデバイスを3月26日に限定発売する。精油を使用したフレグランス“エッセンシャルセンツ”からは国産精油のみで構成した15周年限定コレクションを3月20日に発売する。
「スリー」はブランド誕生以来、ニュートラルな心と体へ導く“ファインド ユア バランス(FIND YOUR BALANCE)”をメッセージに掲げ、精油を軸に“嗅ぐ”“塗る”スキンケアアイテムなどを手がけてきた。これまでのメッセージを大切にしながら「多様で複雑化した価値観が渦巻く時代に合わせて価値転換し、再スタートをきる。科学的根拠に基づいた精油と香りによって創出する革新的な自然体験を通して、ビューティにとどまらない世界のウェルネス領域へ挑戦する」と宮崎稔章ACRO社長と語る。新たに化粧品の枠を超えた新たな香り分野となる飲食カテゴリー“センティッドアルケミー(SCENTED ALCHEMY)” を展開する。
“センティッドアルケミー”は香りを“摂る”ことにフォーカスしたシリーズ。第1弾は飲む、食べる、吸い込むアイテムを展開する。香りを飲むカテゴリーでは精油同様に植物の蒸留から生まれるジンを酒製造販売メーカーの越後薬草と共同開発。レモングラスやラベンダー、エルダーフラワーなど9種のハーブを使用したノンアルコールジン“センティッドアルケミー ディスティルド ノンアルコール ジン”(500mL、8640円)とアルコールジン“同 ディスティルド ジン” (500mL、8800円)をそろえる。香りを食べるカテゴリーではマリン由来コラーゲンのゼラチンで作られたハードグミ“同 チューンズ”(全3種、各3240円)を扱う。辛、涼、酸の要素を取り入れたハーブとスパイスを組み合わせ、気分の切り替えにも使えるチューニングフードとしても提案する。
香りの吸うカテゴリーは、呼吸市場の開拓者でデバイスを手がけるブリーザーと共同開発したハーブを水蒸気に閉じ込めた深呼吸サポートデバイス“同 イントゥフロー バイ フリーザー”(全3種、各3300円)を扱う。吸口を咥えて息を吸い込むとローズマリーやレモンバームなどの香り成分を含んだ水蒸気が発生し、気分転換や副交感神経のスイッチを入れることができる。いずれも限定販売となり、公式オンラインショップや関西国際空港の免税店、宮下パーク内の直営店、リバイブ キッチン スリー日比谷、神戸BAL店で扱う。
国産精油100%のフレグランス
“エッセンシャルセンツ”からは15周年を記念し、「時」をグラデーションした香りを展開する。熊本県南阿蘇村と佐賀県唐津市に有する自社農園で栽培したレモングラスやペパーミント、ゼラニウムなどから抽出した21種の国産精油を用いて、薄明(日の出前、日没後の薄明るい時間帯)、残夜(明け方の時間帯)、宵(日没後の間もない時間帯)をイメージした自然由来指数100%のオードトワレ(全3種、各9mL、各1万6500円)を限定発売する。
同社は今後も国産原料の開発や精油にこだわることから、ハーブ系の植物を栽培する南阿蘇、樹木系の植物を栽培する唐津に加え、新たに広島で柑橘系を栽培する自社農園を運営する。さらに7月には体験型の精油蒸留所「スリー アロマ ディスティラリー」を佐賀県唐津呼子町にオープンする予定だ。
「スリー」のネクストビジョンは人間の本能に響く革新的な自然体験の創出。「人間起点、精油の力、香りの科学、ウェルネス拡張、日本発世界展開をキーワードに、世界中の都市型生活者のウェルネスを実現する」と宮崎社長は前を見据える。