大阪市立桜宮高校の男子生徒の自殺を受けて、体育系2科の入試が中止となったことなどをめぐり、激しい“場外バトル”を続けていた大阪市の橋下徹市長と、フジテレビ系「とくダネ!」のキャスターを務める小倉智昭氏が29日午前、同番組で直接対決した。
小倉氏はこれまで番組で、入試中止について「どうしてそこに行くのか…」などと批判的な発言を続け、橋下氏はツイッターで「高校の実態も知らないで…」などと反発していた。
番組開始から約25分後、小倉氏は東京のフジテレビから「今日は直接、橋下市長に話をうかがい、疑問を解消したい」と呼びかけ、橋下氏は大阪の関西テレビから「よろしくお願いします」といい、表情を引き締めた。
まず、一連の流れがVTRやアナウンサーによって説明された後、小倉氏が「入試中止は、在校生や新入生にプラスになるのか?」と問うと、橋下氏は「絶対にプラスになる。私は『桜宮高校が新入生を迎え入れる態勢にあるのか』と見てきた。結果、教員委員会も含めて『さすがに、そういう状況ではない』と判断した。学校を立て直してからだ」と答えた。
小倉氏は「桜宮高校で問題があるのは体育科だけか」「体育科以外にも(問題のあった)バスケット部の生徒はいる」「(暴行した)先生を辞めさせることで、学校は再生できないのか」「暴行事件が起きたことで、どうしてカリキュラムを変える必要があるのか」「新入生を迎え入れることは可能ではないか?」などと質問した。
これに対し、橋下氏は「普通科でも体罰はあったが、中核は体育科。両方(入試を)止めると影響が大きかった」と話し、こう続けた。
「今回の件を、個人の問題ととらえるか、学校の問題ととらえるかだ。(体育科の)指導者は勝つために一生懸命にやっている。だが、外から見ると、その指導方法は限界を超えている。スポーツ指導の現場では、指導者と生徒は絶対的な関係になる。誤った指導方法で、生徒が自殺に追い込まれたことを認識すべき。これまでの指導法について、在校生も保護者も『問題はない』という人がほとんど。意識改革が必要だ」
一方、共通の“敵”も見つかった。小倉氏が「自殺者を出すまで何もできなかった教育委員会が桜宮高をよくできるのか」と問うと、橋下氏は「そこも問題」と応じ、教育委員会の制度に関する批判を展開した。
「責任を誰がとるのか規定されていない。委員がコロコロ替わり、教委の事務局が実務を仕切り、僕が中に入れない仕組みになっている。誰も責任をとらない仕組みのなかで今、こうした事態になっている」
視聴者はどう見たか。