政府は1日、新型コロナウイルス「変異株」の流行国・地域として新たに指定した、インドやペルー、米国(テネシー州、フロリダ州など)からの帰国者に対する水際対策の強化措置を実施する。ただ、入国者の管理体制は緩く、相変わらず強制力はない。東京五輪の開会式(7月23日)が迫るなか、「ザル入国」を許していていいのか。
「日本の水際対策は、底が割れた鍋のような状態だ。国内で感染者が出てから『壁』を高くして備えても、もう遅い」
「ヒゲの隊長」こと自民党の佐藤正久外交部会長は、コロナの感染拡大が止まらないことへの危機感をあらわにした。
政府は現在、外国人と日本人帰国者を合わせ、1日平均の入国者数の上限を2000人に抑える方針を打ち出している。
出入国在留管理庁の公表資料によると、最近の日本への入国者数の総数の推移は別表の通り。3月だけでも、外国人は1万9393人が入国した。このうち、2017人が人道上の配慮が必要な場合などの「特段の事情」で、残りの1万7376人が査証(ビザ)を持つ再入国者だった。
日本人帰国者も含めると1日平均1881人の計算だ。同庁によると「4月も2000人は上回らない」という。