太平洋戦争末期 旧日本軍の「風船爆弾」伝える企画展 いわき
太平洋戦争末期に、旧日本軍が、アメリカ本土を直接攻撃しようと開発した「風船爆弾」について紹介する企画展がいわき市で開かれています。
企画展は、いわき市の勿来関文学歴史館が、戦争にまつわる地域の歴史を知ってもらい平和について考えてもらおうと開いています。
風船爆弾は、手すき和紙をコンニャクのりで何層にも貼り合わせた直径およそ10メートルの気球に焼夷弾を積んだ兵器で、いわき市勿来町にも秘密基地がありました。
太平洋戦争末期、アメリカまで届く偏西風が吹いているいわき市や隣の北茨城市などにあった秘密基地からおよそ9000個が放たれ、およそ8000キロ離れたアメリカにおよそ1000個が到達して、現地の民間人が犠牲になったとされています。
会場には実際の風船爆弾の一部や関係者の証言をもとに描かれたイラストなどが展示されています。
また、気球に使われた和紙の原料の植物も展示され、地域の特産の遠野の和紙が利用されていたことや、和紙を貼り合わせる作業には指先の柔らかい女学生らが動員されたことなどが説明されています。
渡邊千香学芸員は「基地があったいわき市の人たちにもあまり知られていない風船爆弾の歴史を知ってほしい」と話していました。
企画展は、来月1日まで開かれています。