トランプ氏が、来年1月に発足する新たな政権で司法長官に起用すると発表していたマット・ゲーツ前下院議員は21日、SNSで指名を辞退すると表明しました。
ゲーツ氏はトランプ氏を強く支持してきたことで知られます。
ただ、未成年の女性に金銭を支払って性的な関係を持った疑いなどで当局の捜査を受けたことがあり、身内の共和党内からも起用を問題視する声が上がり、閣僚人事に必要な議会上院での承認が難航するとの見方が出ていました。
ゲーツ氏は辞退の理由についてSNSに「私の承認をめぐって不当な形で政権移行期の重要な仕事を妨げていることは明らかだ」と投稿しました。
またトランプ氏はSNSに「彼は非常によくやっていたが、彼が尊敬する政権の妨げになりたくなかったのだ。マットにはすばらしい未来がある」と投稿しました。
アメリカメディアは「トランプ氏にとって大統領選挙以降、初めての大きな政治的後退になった」などと大きく伝えていて、トランプ氏は人事の練り直しを迫られることになります。
司法長官指名を辞退すると表明 トランプ氏は人事練り直しへ
アメリカのトランプ次期大統領が新たな政権で司法長官に起用すると発表していた前下院議員が指名を辞退すると表明しました。未成年の女性に金銭を支払って性的な関係を持った疑いなどで起用が問題視されていた人物で、トランプ氏は人事の練り直しを迫られることになります。
国防長官起用のヘグセス氏にも起用を懸念する声
トランプ氏が次期政権での起用を発表し、問題視される声があがっているのは辞退を表明したゲーツ氏だけではありません。
国防長官への起用が発表された元軍人で保守系テレビ局で司会者を務めてきたピート・ヘグセス氏は、2017年に西部カリフォルニア州で女性から性的暴行の訴えがあり、警察の捜査を受けたことがあります。
この件で訴追はされていませんが、身内の共和党内からも起用を懸念する声が出ています。
ヘグセス氏は、バンス次期副大統領とともに21日、共和党の上院議員との会合で承認に向けた支持を呼びかけました。
ヘグセス氏は会合のあと記者団に対し、「この件については捜査が行われ、私の疑いは完全に晴れている」と述べ、訴えの内容を改めて否定しています。