厚生労働省によりますと、医師が処方する医療用医薬品をめぐっては、後発医薬品メーカーで相次いだ不正問題や新型コロナの流行での需要増加の影響などで令和2年ごろから一部の医療機関や薬局に届かない供給不足が続いています。
現状では医薬品の需要と供給の実態を即時に把握するシステムがないことから、厚生労働省は特に医療上必要性の高い医薬品について、平時からモニタリングを行い、早期に供給不足の兆候を把握するための仕組みや、医薬品メーカー側の生産量や在庫量をリアルタイムに把握できる仕組みなどの実用化を進めるとしています。
医薬品の供給不足 早期把握の仕組み実用化進める 厚労省
医薬品の供給不足が続いているものの需要や供給の実態を把握できていないとして、厚生労働省は必要性の高い医薬品について、電子処方箋などを活用して供給不足の兆候を早期に把握するための仕組みの実用化に向けて取り組む方針です。
具体的には医薬品の需要を把握するために、オンラインで処方箋の情報が共有される「電子処方箋」を活用し、薬局の調剤データを収集するとしていますが、処方箋には個人情報が含まれることから、情報をどの範囲まで収集できるのかなどを来年度から検証するとしています。
厚生労働省は「供給不足の兆候を可能なかぎり早期に把握して影響を最小限にするために、市場や地域ごとの需給状況のモニタリングが必要だ。費用対効果の観点も含めて実現可能な仕組みの構築を目指していきたい」としています。