将棋 「王将戦」第1局 藤井聡太七冠が永瀬拓矢九段に勝利

将棋の八大タイトルの1つ、「王将戦」七番勝負の第1局が静岡県で行われ、このタイトル4連覇を目指す藤井聡太七冠が(22)永瀬拓矢九段(32)に勝ち、初戦を白星で飾りました。

「王将戦」七番勝負の第1局は12日から静岡県掛川市で始まり、2日目の13日は先手の永瀬九段が12日の対局終了時に次の1手を書いた「封じ手」から再開しました。

序盤は飛車の前の歩を進めて戦う「相掛かり」の戦型で進み、大駒の「角」を交換するなどして互いに攻め込む機会をうかがいます。その後、永瀬九段が敵陣に持ち駒の「角」を打ち込んで攻めにかかりますが、藤井七冠が隙を突いて反撃に転じます。

永瀬九段も粘りを見せましたがしのぎきれずに午後7時5分、112手までで投了。藤井七冠が初戦を白星で飾りました。

去年、八大タイトルのうち、7つを防衛した藤井七冠は「王将戦」がことし最初の防衛戦で、今回の七番勝負を制すれば、このタイトル4連覇となります。

一方、永瀬九段は去年「王座戦」で藤井七冠に挑みましたが1勝もできずに敗れていて、今回は雪辱を期して初めての「王将」獲得を目指します。

「王将戦」第2局は今月25日と26日の2日間にわたって京都市の「伏見稲荷大社」で行われます。

藤井聡太七冠「序盤の細かなところに課題」

対局後、勝利した藤井聡太七冠は「1日目はだいぶ自玉が薄い形となって自信がない展開となり、2日目も昼までは相手の攻め筋が多そうで、いやな形になったと思っていましたが、午後からは自分の攻めの形になり、楽しみが出てきました。かなり陣形差のある形で戦いを強いられてしまったので、序盤の細かなところに課題が残ったかなと感じています。第2局目以降は先手後手が決まった戦いになるので、準備を進めていきたいです」と話していました。

一方、敗れた永瀬拓矢九段は「中盤がとても難しい将棋で、藤井七冠に自分が決断することをうまく催促されているのかなと思いました。第2局に向けて精いっぱい準備をして頑張りたいと思います」と話していました。