香港警察 シンクタンク事務所を捜索 活動への締めつけ強化か

香港の警察は、SNS上で国家の分裂をあおったなどとして先月、シンクタンクの元幹部を指名手配したことに関連し、13日、このシンクタンクの事務所を捜索しました。シンクタンクは言論の自由や中国の人権状況などに関する世論調査を行ってきたことから、こうした活動への締めつけを強めるねらいもあるとみられます。

香港の警察は13日、民間のシンクタンク「香港民意研究所」を捜索するとともに、このシンクタンクのトップ、鍾庭耀氏の取り調べを行ったことを明らかにしました。

警察は、3年前に香港を離れてイギリスに渡ったシンクタンクの元幹部を、SNS上で国家の分裂をあおったなどとして先月指名手配していて、今回の捜査はこれに関連したものだとしています。

「香港民意研究所」は大学の研究者らが中心となって運営し、香港の市民を対象に政府のトップ、行政長官の評価のほか、言論や報道の自由、それに天安門事件に対する見方など中国の人権状況に関する世論調査を行ってきました。

一方で、2020年に政府に批判的な動きを取り締まる、香港国家安全維持法が施行されてからは、調査活動に対する当局の圧力が強まっていて、今回の捜索は締めつけをさらに強めるねらいもあるとみられます。