韓国 ユン大統領 取り調べに応じず 今夜までに逮捕状請求へ

内乱を首謀した疑いで拘束されている韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は、17日午前も合同捜査本部の取り調べに応じませんでした。韓国メディアは、合同捜査本部がユン大統領の身柄を引き続き確保して捜査するため、17日夜までに逮捕状を請求する方針だと伝えています。

「非常戒厳」を宣言した韓国のユン・ソンニョル大統領は、内乱を首謀した疑いで、15日に警察などでつくる合同捜査本部に拘束されて取り調べを受けましたが、供述を拒否しました。

合同捜査本部は17日午前10時から改めて取り調べを行おうとしましたが、ユン大統領は16日に続いて応じませんでした。

ユン大統領の弁護士は17日の取り調べに応じない理由について「おととい十分に基本的な立場を明らかにした」とコメントしたうえで、一つ一つの質問に答える必要性はないとしています。

合同捜査本部に入る「高位公職者犯罪捜査庁」の関係者は、17日に取り調べを行うことは「現実的に難しい」とした一方、ユン大統領の身柄を引き続き確保して捜査するための逮捕状請求の準備については「ほぼ終わっている」としています。

逮捕状の請求期限は、ユン大統領の拘束が適切だったかどうかを判断する審査が裁判所で行われた影響で17日の午後9時5分までとなっていて、韓国メディアは合同捜査本部がそれまでに逮捕状を請求する方針だと伝えています。

世論調査“与党支持率 約5か月ぶり最大野党上回りトップに”

世論調査機関の「韓国ギャラップ」は、16日までの3日間、およそ1000人を対象に行った調査で、与党の政党支持率が去年8月以来およそ5か月ぶりに最大野党を上回ってトップになったと発表しました。

それによりますと、主要政党の支持率は、
▽与党「国民の力」が先週より5ポイント上がって39%、
▽最大野党「共に民主党」が先週と同じで36%、
▽支持する政党はないと答えた人が17%でした。

ユン・ソンニョル大統領による「非常戒厳」の宣言のあと、与党「国民の力」の支持率は、一時24%まで落ち込んでいましたが、ここに来て支持を回復させている形です。

原因について「韓国ギャラップ」は「大統領の拘束をめぐって与野党間の対立が一層激化した中で、与党の支持層に向けた大統領や与党からのたび重なるメッセージが影響したとみられる」としています。

そのうえで、2016年から2017年にかけて、当時のパク・クネ(朴槿惠)大統領が弾劾の議案を可決され憲法裁判所の決定によって罷免されたときには、与党の支持率は低迷したままだったとして「今回の政党支持率の様相は当時とは明確に異なる」と指摘しています。

また、次の大統領選挙については、
▽「野党候補が当選して政権交代を期待する」が48%、
▽「与党候補が当選して政権の維持を期待する」が40%となっています。

一方、ユン大統領の弾劾については、
▽「賛成」が先週より7ポイント下がって57%、
▽反対は4ポイント上がって36%となっています。