先進坑は本坑掘削前に地質や湧水の状況を把握するための断面の小さなトンネルで、最終的には作業用や避難道として活用される。南アルプストンネル山梨工区では先進坑とともに、今後、トンネル本坑が掘り進められていくことになる。現在の時点で、JR東海は工事完了の見通しを「2030年」としている。 2015年12月の山梨工区の起工式で、当時は10年間で工事完了と見通したが、いまのところ5年遅れとなっている。実際には、同工区の工事完了がさらに遅れるのは必至である。 2016年11月に起工式を行った南アルプストンネル長野工区でも工事完了見込みを「2030年」としているが、土被どかぶり約1400メートルと前代未聞の山岳トンネル区間が待ち構えており、こちらもさらなる遅れが見込まれる。
