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2010年12月29日水曜日

ソーシャルゲームの「パクリ」ぶりがよく分かるスクリーンショット

Facebookアプリの雄「他社からアイデアを盗めばいい」とは/ゲーム情報ポータル:ジーパラドットコム

このZyngaの例をはじめとして「ソーシャルゲームはパクリだらけ!」という話はよく耳にしますが、具体的にどんな感じでパクっているのか参考になりそうなページが見当たらなかったので、Google画像検索や、Facebookにログインして何枚かスクショ撮ってきました。パクリを語るには「どちらが先」かも重要なので、サービス開始時期も併記しておきます


カフェ経営系

Restaurant City / Playfish [サービス開始:2009年3月~]

Cafe World / Zynga [2009年10月~]

カフェつく (mixiアプリ) / バンク・オブ・イノベーション [2010年5月~]


農場系

Farm Town / Slashkey [2009年5月~]

Farm Ville / Zynga [2009年6月~]

※ mixiの『サンシャイン牧場』は、『開心農場 (Happy Farm)』という中国のブラウザゲームの移植版なので、FarmVilleとはたぶん直接関係無し


マフィア抗争系

Mob Wars / Mob Wars(David Maestri) [2008年1月~]

Mafia Wars / Zynga [2008年6月~]

怪盗ロワイヤル / DeNA [2009年10月~]

※ あわせて読むと味わい深い
- Mob Warsの作者がZyngaを標的に著作権侵害で告訴
- Zynga Sues Playdom Over Mobsters Ads
- 「怪盗ロワイヤル」のFacebook版「Bandit Nation」、8/31でサービス終了


都市建設系

My City Life / City Life [2010年1月~]

Social City / Playdom [2010年2月~]

City Ville / Zynga [2010年12月~]

※ 「今年はシムシティ系が来る!」という話題は2月の時点で記事になっている
EA傘下のPlayFishも「Sim City」の名称が使えるので何か出しそう




他にもっとあるんだろうけど、とりあえず適当にググって出てくる有名どころはこんな感じ。もっと創意工夫してるのかと思ったら、想像以上にそのまんまですね


もちろん、ソーシャルゲームの熱中度を左右するのはゲーム内容より「フレンドがやっているかどうか」のほうが遥かに重要なので、同じようなゲームであれば、ユーザー数とブランド力に勝るZynga版の方が面白いはずです。盗作を指摘されても訴訟を受けて立てば良いだけの話なので問題はありません (『Mob Wars』作者のDavid Maestriは、結局700万ドル以上の和解金を受け取ってZyngaと和解しています)


とはいえ、農場系ゲームに『牧場物語(Harvest Moon)』という大元ネタがある事は海外でもよく指摘されているし、『Mob Wars』はMyspaceでNo.1になった事もある人気ゲーム、Playdomの『Social City』も今年10月のGDCでBest Social Network Game」に選ばれたほど評判のタイトルなので、こうして比較するまでも無くZyngaがパクったという事は同業のゲーム開発者やメディア関係者なら当然知っているワケです(むしろ知ってないとマズイ)

Zyngaのマーケティング手法を賞賛こそすれ、ゲーム内容を評価する声が殆ど聞こえてこないのはそのためでしょう



ちなみに最近FacebookでCity Villeに次ぐ勢いでユーザー数を伸ばしているZuma Blitz』というゲームも、10年くらい前の日本のアーケードゲーム『パズループ』の盗作として悪名高いタイトルです。ただ一方で、開発元のPopCapは『Plants VS. Zombies』や『Peggle』といった傑作を世に送り出し、ゲーマーからも愛されるメーカーになっています

「ソーシャルゲームはパクリだらけ」・・・だとしても、せめて新しいゲーム・面白いゲームを作ろうと努力しているメーカーの方を応援したいもんですね

2010年8月5日木曜日

ショートアニメ 『RED』

かわいい

作者はカリフォルニア芸術大学の学生さんだそうです

2010年7月12日月曜日

インディーゲームのドキュメンタリー映画 ネットユーザーの出資で製作へ

Indie Game: The Movie - Growing Up Edmund from IndieGame: The Movie on Vimeo.


Indie Game: The Movie – Film
http://www.indiegamethemovie.com/

Indie Game: The Movie by BlinkWorks — Kickstarter
http://www.kickstarter.com/projects/blinkworks/indie-game-the-movie


Super Meat Boy』のEdmund Mcmillen、『Aquaria』のAlec Holowkaなど、米国・カナダの若手インディーゲーム制作者をフィーチャーしたドキュメンタリー映画


ユーザー参加型マイクロファンドサイト Kickstarter で出資を募っていたもので、まだ締切り前ながら既に250人を超える参加者から、目標を上回る2万ドルの出資を集め、製作が実現することになりそうです。 完成は来年春の予定

この題材でドキュメンタリーが作られるというのもインディーゲーム界隈の盛り上がりを感じられて嬉しいですが、その製作資金をネット上だけで200万円近くも集められる背景には、同じインディーでも、インディー映画を支える映画文化の成熟があるのだと思います


なお、Kickstarterのプロジェクト締切りは7月20日まで。 1ドルからでも参加可能で、10ドル以上の出資で公式サイト上にスペシャルサンクスとしてクレジット、30ドル以上で完成後のDVDが貰えるなど、少額の出資でも貢献に応じた特典が用意されているので、興味がある人は一枚噛んでみてはどうでしょう?
(コメント欄によるとDVDは国際送料込みだそうなので、日本にも送ってくれると思います)

2010年5月29日土曜日

チップチューンレーベル Ubiktune

ubiktune http://ubiktune.org/

VitrやShnabubula、Temp Sound Solutionsなど、VG Remix界でお馴染の面々が参加しているロシアのチップチューンレーベル

前に二等兵さんがTwitterで紹介してましたが、Seasontunesシリーズが気に入ったのでこちらでも紹介。サイトリニューアルして試聴が出来なくなっているようなので、試聴トラックも併せて置いておきます。ジャケットクリックでアルバムページへ

やっぱりVirt氏の曲好きだわー、曲名変だけど (メカ空海 長安へ往く・・・?)

Malmen - Unbelievable Lips

Rico Zerone - Empty Beach

Joule - Bursting Bubble Boy

Virt - Mecha-Kukai Travels To Chang'An

Tony Thai - Cough Syrup Overdose

Licensed under a Creative Commons

2010年5月26日水曜日

洞窟物語 Wii版の海外レビュー総まとめ

やろうやろうと思ってすっかり忘れてましたが、ちょうど雑誌系のレビューも出揃ってきた所なので、北米WiiWareで配信された『洞窟物語 (Cave Story)』の海外レビューを遅れ馳せながらまとめておこうと思います。ソースはメタクリとかGamestatsとかそのへんから




1UP : A / A+
洞窟物語は古典的アクションゲームのファン・・・いや、全てのアクションゲームファンがプレイすべき傑作(Master Piece)だ。この傑作がたった一人の開発者によって作られたという事実は、更にあなたを驚かせるだろう

NGamer UK : 100 / 100
今までリリースされた中で最も優れたWiiWareタイトル。迷わずプレイすべきだ

Nintendojo : 9.8 / 10
デベロッパーのNicalisはインディーゲームの最高傑作をWii向けにチューニングするという仕事を見事に成し遂げた。Wiiを所有しているゲーマーは、自らのハードで『洞窟物語』がダウンロード出来る事を誇りに思って良いだろう

Destructoid : 9.5 / 10
洞窟物語は驚くべき(Incredible)ゲームだ。私はこれからの人生、このゲームを何度も何度も繰り返しプレイし続けるに違いない。洞窟物語のPC版がカルトなロックファンの間で秘密裏に遣り取りされてきた伝説的ライブのBootlegテープだとしたら、Wii版はそのライブ映像が突如スペシャルエディションのDVDとしてリリースされたかのような歴史的事件であり、ジャンルのファンであれば、その事件を目撃しないわけにはいかないだろう

GamingTrend : 95 / 100
WiiWareでここまでのものが作れるというデモンストレーションとして、他のデベロッパーが大いに見習うべき作品だ。『Beer Pong』やら『○○ Party』のような「App Storeをリジェクトされたからコッチ来ました」的ゲームを作ろうとしているデベロッパーとは、その志からして大きく異なっている。『洞窟物語』は現在WiiWareで手に入る最良のゲームであり、全てのWiiタイトルの中で最良のゲームの一つと言っても決して過言ではない

Cheat Code Central : 4.6 / 5
洞窟物語が「スーパーファミコン末期に開発され、ついに日の目をみることが無かった幻のゲームだ」と言われてもきっと信じてしまうだろう。PCで無料で遊べるアクションゲームの移植版に12ドルを支払う事に関しては議論の余地があるかもしれないが、どんなプラットフォームであろうと、あなたがこの偉大なゲームをプレイすべきである事に変わりはない

Games Rader : 9 / 10
公正なレビューとしては、このゲームがフリーウェアとして公開されている事に触れないわけにはいかない。だが、もしあなたがフリー版で済まそうと考えているなら、それは大きな間違いだ。コントローラーでの操作性もグラフィックスもPCよりWii版の方が優れているし、何より、この傑作を無償で公開してきた作者に金銭的に報いる事が出来るのはWiiユーザーだけの特権である

GameZone : 9 / 10
フリーウェア版洞窟物語のファンにも、それ以外のStudio Pixel作品のファンにも、そして何かアツい2Dゲームで遊びたいというゲーマーにも、誰にでも問答無用でお薦め出来るタイトルだ

Eurogamer : 9 / 10
もしこのゲームが20年前に発売されていたとしたら、8bit時代の傑作アクションとして、今でもゲーマーたちのあいだで思い出と共に語り継がれる作品になっていたに違いない。しかし、そういった思い出補正がなくとも、2010年の今年初めてコンソールの歴史に登場した『洞窟物語』は、人々を夢中にさせ、永く記憶に残る傑作に仕上がっている

Games TM : 9 / 10
不朽の名作(Timeless classic)であるかのような新作タイトル

NintendoWorldReport : 9.0 / 10
おそらく私が今年プレイした中で最高のゲーム。きっとあなたも気に入るはずだ

Nintendo Life : 9 / 10
我々がWiiWareに最も望んでいたタイプのゲームであり、プラットフォーマー好きは決して見逃してはならない

Game Informer : 8.75 / 10
洞窟物語のレトロなアートスタイルは、ある年齢未満の世代にとって興味を惹くものではないかもしれない。だが、そのシャープさと繊細さはゲーム世界の美意識と非常にマッチしており、敵クリーチャーの造形や背景グラフィックスにも退屈させられることが無く、キャラクターの一枚絵は彼らの個性を効果的に強調している。アートスタイルと同じく重要な役割を果たしているのが音楽で、キャッチーで且つ記憶に残るメロディは80年代のビデオゲームサウンドを彷彿とさせるだろう

GameTrailers : 8.7 / 10
多彩な武器やマルチエンディングが楽しめるメインストーリーに、ボスラッシュモードと聖域タイムアタックモードが追加され、更に人気キャラクター、カーリー・ブレイスをプレイヤーとして使えるようになった本作は、ファン・フィクションを書くような熱狂的なファンをも満足させる幸せな移植と言えるだろう。「フリーウェア」というのは常にベターな選択肢だが、上質な環境と快適なソファー。そして(ファミコンの歴史を受け継いだ)Wiiを操作しながらリビングでプレイすることが出来るようになったWiiWare版は、洞窟物語という不世出のゲームにとってベストな選択肢となっている

IGN : 8.5 / 10
練り上げられたストーリー、愛らしいキャラクター、白熱するBOSS戦、そして武器を自由自在に駆使する快感――洗練されたゲームコントロールはファミコン全盛期の任天堂作品とも対等に渡り合えるだろう

A.V. Club : B+ / A+
洞窟物語は基本的には長大な一本道のゲームだ。それは決してこのゲームの魅力を損ねるものではなく、言ってみれば古き良きアクションゲームへの原点回帰になっている

VG Chartz : 8.5 / 10
私は普段、レトロゲームの懐古趣味的流行には異を唱える立場だが、この優れたオールドスクールゲームは純粋に楽しむ事が出来た

G4 Tech TV : 4 / 5
細かなグリッチが見受けられ、サウンドのミキシングが不快に感じる部分もある。しかしながら、それら些細な不満点を持ってしてもこの作品の評価を貶める結果にはならない。ユニークなアートスタイルと素晴らしいサウンドトラックは、洞窟物語をエンターテインメント作品として高いレベルに押し上げている

The Escapist : 4 / 5
クリアまでのボリュームは少々短いが、独創的で感動的で刺激的なアクションゲームとして12ドルの価値は十二分にある。全てのアクション-プラットフォーマーファン、そしてインディーゲームの可能性を信じている人々は、このゲームを手に入れるべきだろう

Edge Magazine : 8 / 10
長年の間、インディーゲーム界の寵児として語られてきた作品が、ついにその真価を世界に向けて証明する機会がやって来た。こんなに喜ばしい事はない


海外ゲームサイトの「00年代を代表するビデオゲーム50選」みたいな記事にも一般ゲームと並んで選出されていたり、RadioheadのギタリストJonny GreenwoodがオフィシャルブログでMac版へのリンクを貼り「work of art」と賞賛したなんて話もあるくらい、海外では異常な人気を誇るStudio Pixelのフリーゲーム『洞窟物語』の移植版だけあって、レビュアーも既にフリー版をプレイ済みの人が多いのか、レビューではフリー版とWii版とを比較する論評が目立ちました

新規に書き直されたグラフィックスは「大画面TVでの視聴にも耐えうるクオリティ」だと概ね好評な一方、新録のリミックス音源の評価はイマイチで、複数のレビュアーがオプション設定でオリジナル音源を選択することを推奨しています。と言っても、不満点として挙げられているのはそれと「セーブポイントが少ない」という2点ぐらいで、読んでの通りどのレビューでもほぼ絶賛の内容。その評価の高さはMetacriticsで89pts、Gamerankingsで90.30%、Gamestatsで9.0という高いメタスコアにも現れています(5/26現在)



気になる日本での配信については相変わらず情報が伝わってこないものの、そもそも洞窟物語がWiiwareで配信されているが今のところ北米地域だけで、欧州・豪州も現在審査待ちという段階らしく、日本に来るとしてもまだ時間がかかりそう・・・。World of Gooも日本での配信が決まるまで半年ぐらい掛かっていたので、それほど心配しなくていいかもですが、早いうちに日本でも配信される事を願いつつ、とりあえず関連動画でも見て気持ちを盛り上げておくことにしましょう




// ビデオレビュー系








// ニンテンドーチャンネルで配信されたPixel氏インタビュー




// Warioware D.I.Y(メイドイン俺)の「Big Name Games」という企画で配信されたPixel氏の「いかちゃん」マイクロゲーム

2010年5月13日木曜日

日本人が知らない アメリカ最大の「アニメSNS」

  • 米国最大のアニメファン向けコミュニティ
  • 英語圏で最大級のオンライン掲示板
  • 米国第4位のSNS (参照)
  • ネット上で3番目に大きなオークションサイト (参照)
  • Second Lifeに匹敵するバーチャル・ワールド

一部「ホントか?」という気もしますが、まあとりあえずそんな風に呼ばれているウェブサイトが米国にあります、名前はGaia Online

http://www.gaiaonline.com/

Gaia Online

Gaia Onlineは香港出身のDerek Liuという人が2003年に立ち上げたウェブサイト

元々はアニメ・マンガ関連のリンク集サイトとして始まり、やがて掲示板やチャットを盛り込んだコミュニティサイトとして成長。2008年には月間30億ページビューに到達し、現在は10代の若者を中心に2000万人以上の登録ユーザーを抱える大規模SNSとして運営されています

最も多くのユーザーが利用しているのはサイト内掲示板(Gaia Forums)で、他に、2Dのアバターキャラクターを操作して他のユーザーと交流するバーチャルワールド、アバターアイテムを売買するショップやユーザー間オークション、着飾ったアバターやイラストを投稿するアート掲示板、釣りやピンボールのようなミニゲーム、バーチャル映画館、『zOMG!』というMMORPGなど、様々なサービスが全てウェブブラウザ上で、同一の仮想通貨を使って楽しめるようになっています

英語圏最大級のオンライン掲示板

Gaiaユーザーのコミュニケーションの中心となっているGaia Forumsは英語圏「最大」或いは「最大級」のオンライン掲示板と言われています

以前4chanについて書いた時にも引用したForum Rankingsの統計では、累計書き込み数(17億件)、ユーザー数(2100万人)ともに1位。2位の4chanの書き込み数は4.6億件なので、その約4倍というぶっちぎりのトップです。 Diggの過去ログを読むと、2006年の時点で既にこのランキングトップだった事が分かります

日本の2ちゃんねるが含まれていない(一応FAQで触れられていますが)ことからも分かる通り、このランキングは詳細な統計データが公開されている掲示板のみを対象にしているため、他にもっと大規模な掲示板(例えばYahoo Boards)があるとも言われていますが、4chanやSomething Awful(10位)やSlashdot(98位)のような誰もが知っている有名掲示板を上回り、英語圏で「最大級」の掲示板の一つである事はほぼ間違いありません

仮想通貨とアバターアイテム

Gaia Online内では「Gaia Gold」「Gaia Cash」という2種類の仮想通貨が流通しています

「Gold」は掲示板に書き込んだり、イラストを投稿したり、イベントに参加するだけで加算されていく通貨で、Gaia世界に入り浸れば入り浸るほど溜まっていくという性質。それに対して「Cash」は実際にクレジットカードや携帯電話から購入したり、Gaiaが発行しているプリペイドカードから加算される通貨で、有料アバターアイテムや毎月一回更新される限定アイテムなど、Cashでなければ購入出来ないアイテムがある事で差別化が図られています

しかし課金しなければ楽しめないかと言うとそうでもなく、Cashを持っていないユーザーでもオークションを利用すれば他のユーザーからGold建てで限定アイテムを落札出来るので、オークションでは活発なユーザー間取引が発生しています (これを指して「ネット上で3番目に大きいオークションサイト」なわけですが、実態が無い仮想通貨取引のものなので、微妙っちゃ微妙)

なお、Gaiaのプリペイドカードは、iTunesカードのようにウォルマートやセブンイレブンなどの店頭でも売られていて、クレジットカードを使えない10代のユーザーでも購入しやすくなっているようです

トヨタやスクエニともタイアップ

「若者」で「アニメ・ゲームに興味がある」というユーザー属性のはっきりしたコミュニティなので広告も取り易いのか、Gaia Onlineでは過去にトヨタやスクエニなど、錚々たる企業がタイアッププロモーションを展開しています

スクウェア・エニックスは2008年に発売した『Dragon Quest Sword (Wii)』のプロモーションをGaia Online上で展開。DQSのPVを視聴したユーザーは、スライム帽子の限定アイテムが手に入りました

トヨタ自動車は、米国で若者をターゲットに販売している「Scion(サイオン)」のバーチャル・カーを2007年に配信。このバーチャル・カーは単なる置物ではなく実際にGaia Online内のカーレースゲームで使用でき、9万人のGaiaユーザーがこのScionを購入したとされています。
9万人という数字は現在の感覚ではさほど多くありませんが、これとほぼ同時期に日産がセカンドライフ上で展開した「自動車販売機」キャンペーンが、国内メディアでもSLの企業活用例として注目されたにも関わらず、僅か1万7千台の配布にとどまった事と比較すると、当時としては画期的なプロモーションでした

その他、映画『カンフー・パンダ』やアニメ『NARUTO』、最近では『スーパーストリートファイター4』でもタイアップが行われています

アニメも観られる バーチャル映画館

2007年に始まったGaia Online内のバーチャル映画館「Gaia Cinemas」では、『創聖のアクエリオン』や『蟲師』『スクールランブル』など、現在13本のTVアニメが無料で視聴出来るようになっています

米FUNimation社との契約で日本企業が直接絡んでいないためか大きな話題にはなりませんでしたが、CrunchyrollやHuluなどよりも早く、2007年の時点で日本アニメの正規配信を行っていたのは「アニメSNS」の面目躍如といった所。また、2008年にはソニー・ピクチャーズやタイム・ワーナーなどの出資を受け、一時的に『マトリックス』など実写映画の有料配信も行われていました。Gaia Onlineには既に活発な仮想通貨流通があるので、課金コンテンツの導入もスムーズに行えるんでしょうね

館内は画面奥がスクリーン、手前が観客の座席という外観で、単に視聴するだけでなく、同じ上映回に居合わせたユーザー同士リアルタイムでチャットしながらコミュニケーションを図ることが出来ます。友達と待ち合わせして同じアニメを観たり、たまたま同席したユーザーと交流するのもアリ。ほぼ同様のインターフェースでGaia VJという部屋もあり、こちらはYoutubeの動画からプレイリストを作成して鑑賞可能です

なぜ知られていないのか?

さて、このGaia Online。不思議なことに日本ではその存在が殆ど知られていません。自分もDQSのプロモーションが海外ゲームサイトで捕捉されていなければ、こんなサイトがあることすらも気付かなかったと思います

4年以上前から英語圏で最大級のネット掲示板として運営され、トヨタやスクエニも広告出稿している、しかもアニメの動画配信まで行われているアニメファンコミュニティが、なぜ日本でこんなにも知名度が無いのか?

・・・それはたぶん、本国アメリカでも殆ど無名だからです

ネットメディアですら、Venture BeatやTechCrunchがたまーに取り上げている程度で、ちゃんとまとまった記事はGigaOMくらいしか書いていません(それすら3年前のもの)。しかも多くの場合「アニメSNS」ではなく、単に「若者向けSNS」の一つとして紹介されているだけなので、これじゃあ日本人に注目されないのも無理のない話・・・。ではなんで米国メディアはGaia Onlineを無視しているのか、その理由を考えてみました

1.ユーザーが少ない

「米国第4位のSNS」&「登録ユーザー2000万人以上」

一見するとスゴそうですが、これじゃあメディアで取り上げてもらうのは難しいですよね。日本でも、mixi、GREEは話題になるけど「国内4位」のSNSなんて誰も相手にしてくれないのと同じ現象です

更に、米国には全世界で4億人以上の登録ユーザーを抱えるFacebookがあり、そのFacebookは毎月1500万人以上のペースでユーザーを増やし続けている・・・それと比較するとGaia Onlineの「2000万人」という数字はすっかり霞んでしまいます。しかも、その2000万人もあくまでアカウントの数であって、実際のアクティブユーザー数は800万人程度だと考えられているようです

2. 書ける人がいない

ユーザーが少ない=メディアで取り上げられないのかというと、これは必ずしもそうとは限りません

例えばiPhoneやTwitter、ゲームで言えばXbox360のように、実ユーザー数はさほど多くない製品やサービスでも、30代・40代のある程度社会的な発言力のある世代がユーザー層の中心に居れば、彼ら自身がメディアで発信してくれるので自然と露出は多くなりますよね。一方で、Gaia Onlineのユーザー層は10代の若者が中心で、発言力は殆ど無く、そのコミュニティを理解できる「大人」の書き手が介在しなければメディアに発信出来ません

じゃあGaia Onlineは大人の書き手の目にどう映っているかと言うと・・・以前Gamasutra系のゲームサイトGameSetWatchでGaiaが取り上げられたときの記事にはその距離感がよく現れています

(すぐクラッシュするブラウザインターフェースに、一般商業ゲーム基準から見ればショボすぎるソーシャルゲーム、よく分からないアニメ風のバーチャルワールド、そして仮想アバターアイテムに嬉々としてお金を支払うユーザー達を見た感想として)

「・・・正直言ってこれの何が楽しいのかさっぱり分からない。この奇妙な仮想空間では、26歳の自分が一番年寄りのように思える」

「あーあ(笑)」という感じですが、これはこれで非常に率直な感想だと思います。26歳で既に理解不能なほど、極端に偏ったコミュニティなんですね

// Gaiaユーザーがどれだけ幼いかについては、この記事に付けられたコメントが可笑しくて

「安心して!私はあなたより年上、29歳のGaia住人です。この歳になると他のユーザーから「ババァ」呼ばわりですが、そういうガキには大人の余裕を持って接するようにしています。ときどき「29歳?あら、あたしのママと同い年ね!」なんて言われるけどへっちゃらです!(汗」

ママが29歳って・・・「10代」どころの騒ぎじゃない!

3.アニメはニッチ

米国人記者の書いた論文を基に日本で「クールジャパン」というフレーズがでっち上げられたり、「○○というアニメが海外で人気」という風に「海外」が十把一絡げに語られてしまっているせいで、米国でもアニメはすごい人気なんじゃないかと勘違いされがちですが、実際にはいまだアニメはニッチな趣味でしかありません

もともと70~80年代から多くのアニメが放映・流通して人気を集めていた東アジアや欧州各国と違って、米国で“日本製アニメ”の存在が子どもから大人までをも巻き込んで広く社会的に認知されたのは1998年のドラゴンボールZや99年のポケモン放映以降。アニメやマンガの翻訳リリースが活発化するのは2000年代に入ってからです。つまり米国で本格的な日本アニメ市場が成立してから、実はまだ10年しか経っていません

ポケモンやDBZのコア視聴者層が当時小学生ぐらいだとすると、10年経った現在でも彼らは10代後半から20代前半の若者(4chanのmootは大学生で、まさにこの世代)、NARUTOや遊戯王は更に下の世代になります

2の「書ける人がいない」という理由とちょっと被りますが、そんなこんなで米国ではアニメファンの社会的発言力はまだまだ小さく、アニメネタ大好きな日本のネットメディアと違って、「アニメSNS」というだけでは大きく取り上げて貰えないんですね

1人のオタクと3人のマンガ家

「10代中心」「アバター課金モデル」そして「“表”のインターネットからまったく相手にされていない」と来ると、まるで日本のケータイ文化圏の話を聞いているようだし、Gaia Cinemaの「ユーザー同士でコミュニケーションしながら同じ動画を見る」というスタイルはニコニコ動画に通じるものがあってちょっと面白いですが、そういったウェブサービスとしての側面と同じくらい興味深いのが、このサイトを2003年に立ち上げた設立者たちのバックグラウンドです

Gaia Onlineのファウンダー、Derek Liu(HN:Lanzer)は、Forum Rankingsのインタビュー「オンライン上にアニメファンが200人も居ない時代から、Usenetのアニメグループに入り浸っていた」と語っている筋金入りのネットユーザーで、90年代にはAscend、Lucentといった通信大手でエンジニアとして働きながら、コミケやコミティア、ワンフェスに参加するため何度も来日していたという筋金入りのオタク。自分のサイトでジョイスティックの自作方法を公開しているGeekyなゲーマーでもあります

WikipediaやCrunchbaseでGaia Onlineの項目を調べると、そんなDerek Liuのほかに、Long Vo(VO)Josh Gainsbrugh(L0cke)Charles Park(CP)という3人の共同設立者の名前が載っています。実はこの3人の本業はプロのコミックアーティスト。マンガ家です

右(→)の絵を見ても分かるように、日本のマンガスタイルに影響を受けていた彼らは、Derek Liuと共にStudio XDという独立系マンガ家集団を結成。一緒に共同生活を送りながら、マーベル、DCといった大手出版社の仕事をこなし、オリジナルマンガも出版していたそうです

このStudio XDでの活動がほぼそのままGaia Onlineの前身になっていて、彼らの後からStudio XDに参加したアーティストのKidkoum Visarutvanit(Saka)さんも、Gaia OnlineのNPCキャラクターやポスターデザインを描いています

Gaia Onlineはさながらマンガ家たちが作り上げたSNSなんですね

ちなみにGaiaのアーティストは他所でも意外なところで活躍されていて、Sakaさんは北米唯一の“エロマンガ雑誌”『COMIC AG』の表紙を毎号描いていたり、VOさんはカプコン作品のコミカライズで知られるUDON Comicsで『スト4』のコミックスなどに参加しているほか、UDONが制作協力した『Super Street Fighter II Turbo HD Remix (XBLA/PSN)』では、ゲーム開発スタッフの一員(Lead Artist)として昨年ファミ通にインタビューされたりもしています

現在は低迷中・・・

とまあポジティブな話題を主に書きましたが、実際問題として現在のGaia Onlineは結構伸び悩んでいます

最盛期の2008年頃には一日あたり100万件あった掲示板の書き込みも、今は多くて一日60万件程度で、4chan(70万件)に追い付かれてしまっているし、Gaia Cinemasの実写映画配信も終了(アニメは縮小しながらも辛うじて継続)。AlexaやQuantcastのウェブ統計を見てもここ1,2年は明らかに下降線を描いていて、メディアで取り上げられる機会もめっきり減ってきています

2008年当時の米国第3位、欧州では最大のSNSだったBeboですら閉鎖されるというFacebook独り勝ちの時代に、Gaia Onlineの先行きも決して明るいとは言えないかも知れません。それでも、オタクが立ち上げ、マンガ家が描き、アニメファンたちが形成したこのコミュニティが、日本で知られないままフェードアウトしてしまうのは残念なので長々書いてしまいました。おわり。

// 以下は今回のエントリを書くきっかけというかGaiaを思い出すきっかけになったGaia7周年動画。微妙に貧乏臭いけど、こんな会社なのかーというのが分かると思います

2010年3月26日金曜日

ゼノギアス公式設定資料集が海外のファンによって翻訳される

デジキューブの倒産後、今に至るまで再販されず貴重本になっているゼノギアスの公式設定資料集『Xenogears Perfect Works –the Real thing-』が、海外ファンの手によって英訳され、Flickr上で公開されていました

Xenogears Perfect Works Translation - a set on Flickr
http://www.flickr.com/photos/29956195@N08/sets/72157616593453778/

 

自分は先週redditで話題になっているのを見て知ったんですが、日時を見ると2年も前に投稿されていたようです。↓みたいな図解までバッチリ翻訳

 

投稿者コメントによると、この資料集の為に日本語の勉強をして、4ヶ月掛けて完成させたのだとか。ただでさえ複雑なゼノギアスの設定を解読するのも大変だったろうに、それを翻訳してしまうファン魂はすごい!

redditのコメント欄も盛り上がっていて、腕にヴェルトール・イドのタトゥーを入れた強者の写真がアップされたりと、ゼノギアス談義に華が咲いているご様子。海外のファンにとってはゼノブレイドに向けて良い予習になったかもですね

2010年1月15日金曜日

Shmups ForumのSTGゲームカバーアルバム

stgc09_cover_front_x

STG COVERS 2009
http://world-of-arcades.net/stgc09/

海外のハードコアシューティングゲームファンが集まるForum、Shmups system11.orgによって企画されたSTGカバーコンピレーションアルバム

リミックスされているのは『Geometry Wars』『Border Down』『ケツイ』『ギガウイング』『怒首領蜂 大復活』から、通なところだと『パルスター』『東方花映塚』『ジャッジメントシルバーソード』『ヘクター’87』、果てはAMIGAのよく分からん外国製シューティングまで全22曲

Shmups Forumの名前はたまに耳にしていたので「海外にもシューターいるんだなー」とは思っていたんですが、それにしてもこのチョイス・・・ 非シューターな自分は殆ど元ネタ知らないです

2009年11月3日火曜日

VGMdb Podcastで東方同人特集が

されてた。Bizenさんの曲も紹介されてるねぇ

vgmdecibel450

VGM Decibel Episode #008: Comiket 76 Touhou Selections - VGMdb

VGMdbのArtistIDもZUN氏が1だったり(→http://vgmdb.net/artist/1)するくらいVGMdbのスタッフはガチで詳しいけど、普通にゲーム音楽好きの外国人は東方知ってんだろか

2009年10月29日木曜日

オニーと一緒に旅に出よう

なんかほっこりした

※『王様物語』の海外版では、予約特典にこのオニー人形が付いてきました

2009年10月25日日曜日

ギークでホットなオタクの女神 - Felicia Day 『The Guild』

Nerd Worldに載った『The Guild』のFelicia Day嬢のインタビューが面白かったのでちょっくら紹介

『The Guild』というのはネトゲ廃人たちが主人公のコメディドラマ。最初は自主制作のウェブドラマとして始まり、今ではマイクロソフトなどのサポートでMSN VideoやYoutube、Xbox Liveでも配信されています。日本語字幕版がXbox Liveのビデオマーケットプレースで配信中なので、日本では箱○ユーザーぐらいしか知らないかもですが、本国アメリカでは数百万人が視聴し、ローリングストーン誌に「Net's best serial show」と評された大ヒットウェブドラマです

Felicia Dayはこのドラマの主演女優にして脚本家、共同プロデューサーも兼ねる才媛で、本人もWoW最大のギルドに所属していた元ネトゲ廃人。Kindleを愛用するギークであり、フォロワー140万人を抱えるホンモノのTwitterセレブリティでもあります

 

Felicia Day: The Nerd World Interview - Nerd World - TIME.com

 

あなたはウェブビデオ界の大きな先駆者となっています。なぜこのような成功を収める事が出来たのだと思いますか?

新しい挑戦をするのは誰にとっても難しいものです、私に出来たのなら後に続く人はもっとやり易くなるでしょう。私はハリウッドで女優としてだけ働くのに飽いて、自分で脚本を書いてみよう、それもハリウッドが注目してこなかった分野のドラマを書こうと思いました。それがゲーマーが主役の『The Guild』だったんです

 

ハリウッドの人々はオタク文化(Nerd culture)を理解していると思いますか?

ハリウッドの制作者はオタクのファンダムに当然気付いていると思います、Comic-conに参加すれば、あらゆる映画、コミック、ドラマの熱狂的なファンたちに出会うことが出来るますからね。ただ、ハリウッドがあわよくばオタクに取り入ろうとしているのは確かですが、彼らがオタクを理解しているかどうかについては懐疑的です

私自身もオタク少女だったので、映画やドラマに出てくるステレオタイプなオタクキャラクターにイライラさせられていました。『The Guild』を書いたのはそうしたハリウッド的オタク像に反発する意味もあるんです

 

あなた自身のゲーム中毒はどれくらい酷かったんですか?

オーディションを何度もすっぽかしたり、演技のクラスからドロップアウトしたのもゲームのおかげです

一つ覚えている出来事としては、あるとき私達のギルドで6時間のレイドの計画が持ち上がりました。本当は母の誕生日を祝うためにその日から実家に帰省する予定だったんですが、それじゃあレイドに参加できない!

・・・6時間のレイドを終えてベッドに倒れこんだ私が考えていたのは「あー、明日の朝起きたらStonescale eelを60匹釣ってPotを作っておかなくちゃ。そうすればまた夜のレイドに持っていける」という事だけでした

 

『The Guild』の成功はあなたのハリウッドでのキャリアにプラスになっていますか?

興味深い点です。面白いことに、私がオーディションに行って控え室で待機していると、同席した殆どの俳優は私に気付くし、時には「オーマイガッ!Felicia Dayじゃないか!」なんて嬉しい反応をされる事もあります

しかし、実際にオーディションが始まると、ハリウッドの雇い主はまず私の事を知りません。数百万ドルを動かし、数百万人の観衆を相手にする彼らは、ウェブビデオになど注意を払っていないんでしょう。だからやっぱりウェブとハリウッドは全く異なった世界なんです

 

そういったお偉いさん方に 「私には140万人のTwitterフォロワーが付いてるのよ!」 と叫びたくなる事は?

そうですね、時々は。でもTwitterのつぶやきを含めて、インターネット空間は総じて私を謙虚にさせてくれます。 脚本・演技・容姿についてのネガティブなコメントは、「自分は人気者だ」という思い上がった考えを遠ざけてくれるんです

 

インターネットが人を謙虚にさせるというのは私も同意見です。でも、ときには書き込みでショックを受ける事もあります

最近の例で言えば『Do You Wanna Date My Avatar』のビデオに関するネットの反応がショックでした

私は今まで自分をセクシーに見せようとしたことはありません、だって実際の私は全然セクシーじゃないですからね。でもAvatarのビデオに関しては「スーパーの店頭で流れているような安っぽいミュージックビデオ」のパロディのつもりで意図的にグラマラスに演出しています

でも見た人の中にはあのビデオを本気に取って「ホットだ」とか「ヤりたい」とか逆に「イマイチだな」と書き込む人がいて、しかもForumで延々とその件について議論される・・・それは自分にとってかなりシュールな体験でした

 

最後の「セクシーじゃない」発言なんかは、知らない人からすると「ホントかぁ?」と思われそうですが、『The Guild』ファンとしてはけっこう納得

なんせ劇中で彼女が演じるコーデックスは、セラピストにすら見放されたネトゲ廃人で、現在無職。ファッションセンスも無ければ無駄毛処理も手抜き。おまけに貧乳。いまだ処女疑惑あり。そしてドラマ開始時点で「1週間 家を出てない」という清清しいまでの喪女っぷりを炸裂させているキャラで、セクシーさの欠片もないですからね

でも、そんな『The Guild』スタッフが「安っぽいミュージックビデオ」というノリで作った『Do You Wanna Date My Avatar』が、Youtubeで500万回再生されていたり、iTunes StoreのミュージックビデオチャートでTop10入りしたというのを聞くと、本当にこのシリーズはオタクから愛されているなぁと感じさせられます

 

まだ『The Guild』を見ていない人は、ニコニコ動画に全話アップされているので、機会があったら是非見て貰いたいです。Xbox LiveのHD画質も良いけど、ニコ動で「ザブーうぜぇww」とか「クララさんパネェっす!」とかツッコミながら見ると数倍面白いっすよ

マイリスト The Guild
http://www.nicovideo.jp/mylist/10140884

2009年9月28日月曜日

3Dショートアニメ 『ロボッチ 炎上する』

グロドット絵師のPaul Robertsonら、複数のアーティストが共同運営しているイラストブログMecha Fetus Visublogのメンバーの一人、Personaさんが作った3Dアニメ

元々Mecha Fetusは好きで見ていたので、このアニメも去年公開された時に一応チェックしていたんですが、最近になってこれの音楽を付けていたのが『Flower』のコンポーザー、Vincent Diamante氏だったという事を知って驚いた。なんというか・・・世界は狭いなぁと

2009年9月16日水曜日

CCLで無料配布なビデオゲーム研究本 『Well Played 1.0』

wellplayed1
Well Played 1.0: Video Game, Value and Meaning | ETC-Press (Beta)


『World of Goo』のKyle Gablerらを輩出したカーネギーメロン大学Entertainment Technology Center(ETC)から今年出版されたビデオゲーム研究本。

New York Timesのウェブ版でゲームコラム「Game Theory」を連載していたCharles Heroldや、ETC教授で本書の主著者であるDrew Davidsonなど、ゲームジャーナリストやゲーム開発者、大学・専門学校の講師たちがビデオゲームの考察・解説文を寄稿しており、そのボリュームはなんと合計400ページ!
Creative Commonsにて全文公開され、PDFの他、ウェブサイト上でも読むことが出来ます。

取り上げられているゲームは『Bully』『Civ4』『Portal』から、『ICO』『逆転裁判』『ゼルダ:時のオカリナ』『MGS4』『パラッパラッパー』まで日本でもお馴染みのタイトルも多数。
分量的・文章的に自分の英語力じゃとても読みきれないので、所々つまみ読みした程度ですが、Drew Davidsonによる『World of Goo』の開発舞台裏や、『逆転裁判』のトノサマンを、特撮(tokusatsu)ヒーローとしてPower Rangerを引き合いに出して解説していたりとけっこう面白そげです

『GTA IV』に使われた物理エンジン「Euphoria」が、オックスフォード大学発のベンチャーによって開発されていたように、ゲーム産業と大学との「技術」面での連携が進んでいる中、この本のように「知識」の共有でもアカデミズムが役割を果たしているというのは頼もしい事例ですね

2009年8月20日木曜日

GameMusic × Mashup

s-ssmashupbro

Super Smashup Bros | Valley of Walls

もはやアレンジの一ジャンルとして定着した間のあるゲーム音楽系マッシュアップアルバム。Lady GagaとカービィのエアライドをMixした『Kirby's Love Ride』や『Rap de Chocobo』がよい感じ

 

Bandcampというサービスを利用して配布してるみたいだけど、これ曲をダウンロードするときにMP3だけじゃなくてOggやFLAC、Apple Losslessも選べるのね。すごいなー

2009年8月16日日曜日

「Twitterちゃんどうしたの?」

(Boing Boing より)

twiter-4chan

Google: Twitterちゃんどうしたの?
Twitter: 4chanの連中にイタズラされたんだ、お陰でまたダウンしちゃった
Google: もしかして4chanを怒らせるような事したの?ダメだよ、絶対ダメ

 

Google: ネットの常識だよ! 「4chanには関わるな」って
Twitter: うぅ~知らなかったよ・・・だってぼくまだ3歳だもん

 

Pedobear: (ガシッ!)

「サービス立ち上げからの年数=擬人化キャラの年齢」って事ならGoogleくんもまだ10歳なんだけど、流石はペドベアー。真性です。

 

ちなみに4chanがしたイタズラというのは、ハッシュタグ#gorillapenis(ゴリラペニス)を集中投下してTwitterトップページの「流行のトピック」に載せようという、また例によってしょうもない悪ふざけ。CNETが詳しいかな↓
4chan may be behind attack on Twitter | The Web Services Report - CNET News

2009年2月1日日曜日

去年書きそびれたネタ

書きそびれたというか「あ、これ面白いな」「これ紹介したらウケそうだな」と一応ブクマして置いたけど、興味はあっても知識が無いので「どうせいっちょ噛みな事しか書けないしなー」と放置した結果、すっかり紹介するタイミングを逃してしまったネタを一応フォローしておこうという、そんなリサイクルなエントリなのです。 書こうと思ったのは去年だけど、記事自体は結構古いのも混ざってます。

それぞれ軽くさわりだけ書いておくので、読んだ人でもし気になる記事があったら、ちゃんとした翻訳なり解説なりして貰えたら嬉しいです (LYEさん どうですか?←無茶振り)

 


外国人レビュアーから見たPerfume

ZB's A-Z of J-Music: REVIEW: Perfume – Game

春に出たアルバム『GAME』のレビュー記事

評者のZac Bentzは大手ゲームブログ Destructoidと、その姉妹ブログJapanatorの音楽関連記事を担当している編集者で(このレビューもJapanatorに同時掲載)、パトリック・マシアスが編集長を務めるジャパニーズカルチャー誌 OTAKU USAにも音楽時評を寄稿している新進気鋭のJ-Pop/J-Rockライターさん。

「ネットカルチャー」「プロデューサーの時代」という観点からよく比較されるVocaloidについてもちゃんと押さえられていて、なかなか読ませるレビューです。ただ、Perfume以前からcapsule、MEGといったヤスタカワークスを一貫して評価してきたZacさんからすると彼女達もあくまで「中田ヤスタカの新しい楽器」に過ぎないのか、Perfumeそのものへの評価は比較的辛口です。

Perfume人気を語る上で重要な要素である「アイドル」としての評価がすっぽりと抜け落ちているので、その点は一応ツッコミ所になっているものの、逆に言えばミーハー的なバイアスが一切掛かっていない中立なレビューと言えるかも知れません。

 

本当に日本で働きたいの?

Japanmanship: Frequently Asked Questions

日本のゲーム会社に勤める匿名ブロガーのJC Barnettさんが、日本での就職を希望する後輩からよく訊かれる質問への回答(FAQ)をまとめたエントリ。

「日本に行けばアニメ・ゲーム・マンガ天国ってのは本当ですか?」というオタク丸出しの質問や、日本語学習に関するエピソードは面白いですが、労働環境や仕事内容に関する回答はなかなかシビア。やっぱり日本は給料安いのね・・・

 

アメコミは何故失敗したのか

the comic-book apocalypse » Badmouth

90年代前半から中盤までにアメリカンコミックス業界で巻き起こったコミックブックの投機バブルと、バブル崩壊後の衰退を記録した回顧録。

長文なので自分には内容を正確に把握できていないし、もしかしたらアメコミフリークには有名な出来事なのかもですが、個人的には滅茶苦茶面白い話でした。だってこれって言ってみれば曲芸商法と転バイヤーが一つの産業・文化を破壊したという記録ですよ?

出版社と投機家が作品性・作家性を軽視して、ただただ「投機的に価値のある」コミックスを追い求めていった結果、最終的に「本を手に入れたら中身も読まずにコレクターズケースに仕舞いこむ」のが暗黙の了解とされた時代というのは、元記事のタイトルが示す通りコミックブック文化の終末期であり、その終末を導いたのがそれまでコミックブックを支えていたファンでありマニアだったというのもまた悲劇です。

こういう話を聞くと、ゲーマーとしてはついついアタリショックを連想してしまうけれど、たぶんそれより酷い。というかヤンキーは何度こんな悲劇を繰り返せば(ry

これも一応、マンガ・出版不況の話題に絡めていっちょ噛みできるかなと思っていた記事ですが、どうも後から調べてみたら、日本と米国じゃマンガ/コミックスの流通構造が全然違うんですね(特に当時は)
一般書店で当たり前のようにマンガが売られている&注文すればすぐ届く日本ではとりあえずはこのような極端なバブルは起こりそうもないので、その辺りは出版というよりは、単なるオタク向け・マニア向けビジネスの失敗体験として読むべきでしょうか。

むしろ日本にとって重要なのはバブル後の低迷(Marvelですら一度倒産しています)によって活動の場を失った作家や、メインストリームのコミックスから距離を置くようになった読者が、程なくして「Manga」と出会う事になる歴史的経緯の方かも知れません。

 

翻訳家トマト氏の華麗なる二重生活

Gamasutra - You Say Tomato: A Pro on Fan-Translating Nintendo's Mother 3

いちゲームファンとして『バハムートラグーン』『スターオーシャン』、『MOTHER3』などの非公式な翻訳(エミュ訳)活動を続けながら、一方でプロとして『キングダムハーツII』や『ドラゴンボール』『ルパン3世』などのゲーム・アニメの英訳に携わっている翻訳家、Clyde ‘Tomato’ Mandelin氏のインタビュー。

Gamasutraというメジャーな媒体で、こんなある意味アングラな活動を取り上げるというのもちょっと驚きますが、更に驚くのが「ファンとしての活動がキャリアの妨げになった事は無いし、むしろ自分がプロの舞台に飛び込んだときに、ファン翻訳家としての経験が非常に役に立った」という本人のコメント。

柔軟というか現実的というか・・・ アニメのファンサバーの人とかも、本当はこうやって業界に取り込んで活躍してもらう方が良いのかも。 ちょうど去年の今頃そんな話が出てたけど、あれはどうなったんだろ?

 

がんばる零細ゲームストア

The Escapist : Indie Game Store

タイトルだけ見て「海外にも同人ゲームショップが?」と思って読んだら、文字通りの”独立系”ゲームストアの話だったという・・・でも面白かったので紹介。

国土が広く流通コストが嵩む上、ブロックバスターなチェーンストアが幅を利かせる米国では、小規模小売店は日本よりも更に厳しい立場に置かれているようで、この記事で紹介されている零細ゲームショップの生き残りも「問屋から仕入れるより近所のトイザラスから買ってきた方が安い」という泣ける状況にあるのだとか。(これは日本の小売でも聞きますが)

ニューズウィークやワシントンポストのような一般紙・誌でもガチのゲームレビューが読めたり、ゲームレンタル制度で学生時代から数多くのゲーム体験を蓄積できるという米国のゲーマーを取り巻く環境は「正直羨ましいよなぁ」と思う反面、この記事に出てくる地域密着型の中小ゲームストアやゲームセンターのようなゲーマー的原風景が急速に失われてしまっている現状というのはやはり寂しいものがあります。
ゲームセンターといえば、スト4ですら海外ではアーケード展開見送り(CS版のみ)ですもんね・・・世知辛ぇです。

 

行け行け!同人メーカーズ!

The Escapist : Doujin A Go Go, Baby!

上と同じくEscapistの記事で、こちらは本当に同人ゲームのお話。
といっても正確には日本で言うところの「同人ゲーム」というよりは、フリー・商業作品も含めた「インディーゲーム」の話がメインで構成されていて、クリエイターとしてOMEGA氏ABA氏Hikoza氏Pixel氏のコメントが引用されています。

同人サークルもTYPE MOON渡辺製作所黄昏フロンティアEasy Game Stationといった有名どころがしっかり押さえられていて流石。実際にはこれが書かれたのは3年前なので、いまならNIGORO07th Expansionあたりも入ってるかもしれません。
あと、この記事では触れられていないですが、上海アリスも2003年の東方妖々夢(aka. Perfect Cherry Blossom)の時点で海外には紹介されています。

日本の同人ゲームはHimeyaのような通販サイトやアニメ・ゲームコンベンションの会場でも販売されているので、海外でも案外流通してるんですよね。確か何年か前のAnime ExpoでもEFZの大会だか対戦会だかが開かれていたはず(当時ComboVideos.comに動画UPされてた)


あーうー、ちょっとまとめるだけでも疲れる・・・。でもまあとりあえず溜め込んでた物を吐き出せたので良かったです。

本当はEscapistとかGamasutraとかのコラムをスラスラ読んでスラスラ紹介できたら楽しいんだろうなーと思うけど、基本的に英語分からんのでそれも難しいです。勉強しなくちゃね。

2009年1月9日金曜日

Virt氏のアルバムが出たよ

Kakfest - The Album(特設サイト)
http://kwakalbum.com/


Kwakfest MIDI: Virt - World's Most Wanted Wiener from Jake Kaufman on Vimeo.

コンポーザーのJake Kaufman、そしてVGMixのVirtとして長年音楽活動を続けてきた彼にとっての、意外にもこれが初めての正式なアルバム。
(一応プロの仕事では魂斗羅DSのサントラがありましたが)

自分は先週のMagfestで先行販売された分をAkumuさんに送ってくれるよう頼んであるので(コミケで頼まれた同人音楽CDと物々交換の予定)CDはまだ聴けていないのですが、サイトやiTunesの試聴を聴いてニヤニヤしてます(笑) ゲーム音楽好きにはツボです。



アルバムはCDの他に、iTunes、Amazon MP3、emusic、napster、Rhapsodyなどで配信中。
iTunesは例によって日本から買うと1500円と割高なので、Paypalアカウントを持っている人は直接CDを頼んだ方が安いです(CD10ドル+送料2ドル)、Amazon MP3は更に安くて7.99ドル・・・けどこちらは日本から買えません――この辺は正直羨ましい。

2008年11月18日火曜日

洞窟物語 WiiWare版 開発元インタビュー (の訳) [1/2]

cspic


Engadgetの第一報のあとイマイチ情報が伝わってこなくて寂しいので、ゲームサイト/ブログに載ったCave Story関連のインタビューを幾つか訳してみます。それぞれ重複する部分や分からなかった所は端折ったり意訳してしまっているので、そこんとこよろしく。


Nicalis Interview: Cave Story - WiiWare World
http://www.wiiware-world.com/news/2008/11/nicalis_interview_cave_story


伝説的なフリーウェアゲーム『洞窟物語』がWiiWareに登場するという話題は、多くの人々にとって嬉しいニュースになりました。日本人プログラマー、ダイスケ・アマヤ(Pixelというニックネームで親しまれています)によって制作された『洞窟物語』は、現在タイロン・ロドリゲスと彼のチーム"Nicalis"によってWiiへの移植作業が進められています。


WiiWare World: 私たちが知る限り、洞窟物語は近年最も人気のあるフリーウェアゲームの一つです。あなたが最初に洞窟物語に出会ったのはいつですか?そしてどのような印象を持ちましたか?

Tyron Rodriguez: 私が洞窟物語を知ったのは数年前、友人からの紹介でした。彼があまりにも洞窟物語を絶賛するので「やってみる価値がありそうだ」と思ったのです
そうやってゲームを始めた私は、ほんの数分でこのゲームの虜になりました


WW: あなたがこの傑作をWiiWareでリリースする意思をPixel氏に告げた時、彼はどんな様子でしたか? 確か彼は洞窟物語を商業展開する事に消極的だったと記憶しています。始めはやはり断られたのでしょうか?

TR: 最初に言っておきたいのは、Pixel氏が本当に親切で礼儀正しい人だという事です。日本人は皆礼儀正しいですが、彼の場合はその上を行きます。私がメールで自己紹介したときも直ぐに返事を返してくれましたし、その後のメールの遣り取りにも辛抱強く付き合ってくれました

そのメールの中で、私は何気なく「洞窟物語を商業ベースでリリースするアイデアをどう思うか」という話を持ち出しました。彼は決して無下に断ったりせず、比較的好意的な反応を返してくれたので、そこで改めて洞窟物語を我々の手で移植させてくれるように頼んだのです
私は純粋に多くの人にこの作品をプレイして欲しいと願っていました。だからこそPixel氏も我々に商業リリースの機会を与えてくれたのでしょう。それにもしかすると彼自身、任天堂のコンソールで自分の作品が動くという提案に心を動かされるものがあったのかも知れません


WW: WiiWare版で加えられた新たなグラフィックスやオーディオに関しては賛否両論の声が上がっています。これらは絶対に必要な変更だったのでしょうか? また設定でOFFにする事は可能ですか?

TR: 私たちは必要な変更だという考えで一致しています。新規のプレイヤーに対して新鮮なグラフィックスを提供する事は大切です
もちろん、オリジナルのアートワークはパーフェクトです。しかし、Pixel氏が最初に主要なキャラクターアートを描いたのは実に10年近くも前の事ですし、その他の要素に関しても現在の洞窟物語の3年前に制作された有名なBeta版(未公開)が元になっていると考えれば、私たちが知っている洞窟物語のアートとサウンドは意外と古くに作られたものなのです。それを現代に合わせて描き改める作業はあってしかるべきでしょう
私たちも当然、新しい・古いという以前にオリジナルのアートやサウンドを愛するファンの気持ちは理解できます。そういったファンに配慮して、WiiWare版でもオリジナルのアートワークと音楽を選択出来るようにしてありますよ


WW: 洞窟物語は非常に大きなファンベースを確立しています。そういったファンからは今回のプロジェクトに対してどのような反応が返ってきていますか? 祝福の声か、はたまたDeath treat(殺人予告)めいたものが届いたりしましたか?

TR: 初期にファンから届いた反応はほとんどが好意的なものでした。その後公開された新しいアートワークに関してはネガティブな反応もありましたが、それらを踏まえた上で製品版をより良い物にしていきたいと思います
私たちが恵まれているのはゲームのクリエイターであるPixel氏と一緒に活動している事です。彼が我々に足りない本質的な部分を補ってくれるでしょう。私たちがこうして活動している理由の一つは、今まで洞窟物語を支えていたファンのためですから、ファンからのフィードバックには大いに感謝しています


WW: 洞窟物語の北米でのリリースはいつ頃になる予定ですか? また欧州・豪州など国外に関しては?

TR: ホリデーシーズン内のリリースを目指して誠意制作中です。北米での売り上げがどうであれ、他の地域でも早々にリリースしたいと思っていますが、それには越えるべきハードルが幾つか有るでしょう


WW: Pixel氏に洞窟物語の続編を出す意思はあるのでしょうか? もしそうだとすれば(今作と同じく)完成まで5年待たなければならないと思いますか?

TR: 私も興味があって訊いてはいるのですが、恐らく彼もそんな質問にうんざりしているのでしょう、はっきりとは答えて貰えませんでした
続編が作られるかどうかは憶測するしかありません。しかし少なくとも5年掛かるというような事は無いと思います。Pixel氏も当時より遥かに経験を積んでいますし、オリジナルの『洞窟物語』は実際には5年の間に3つの異なるバージョンが作られていたのです

最も初期の『洞窟物語』を作った際、彼はデザインとプログラミングを学ぶため一旦制作を中断しました。その後、Beta版としてよく知られている2番目のバージョンに取り掛かる訳ですが、彼はそこでも一時制作を離れ『Ikachan』というよく似たゲームを先に完成させています。これはPixel氏が『洞窟物語』を完成させる過程においてとても重要な作品で、このIkachanが無ければ私たちが今こうやって『洞窟物語』の話をする機会も無かったでしょう
個人的にはIkachanも大好きな作品なので、WiiWare版でちょっとしたオマージュを奉げています

Nicalis' Tyrone Rodriguez talks Cave Story
http://www.nintendowiifanboy.com/2008/10/14/wii-fanboy-interview-nicalis-tyrone-rodriguez-talks-cave-story

Wii Fanboy: WiiWare版の元となったコードはPC版ですか、それとも新しく一からコードを書き下ろしているのでしょうか? また、WiiWare版では現状何人のスタッフが働いていますか?

TR: WiiWareにはPC版のオリジナルコードを引用しています。現在このプロジェクトに関わっているスタッフは6人で、殆どはサウンドとグラフィックの向上に割かれています


WF: 新たに収録される曲はどのようなコンセプトでアレンジされますか? 例えば洞窟物語のオリジナル楽曲は明確な8-bitスタイルです。またサウンドトラックをCDやダウンロードで配信する予定は?

TR: 楽曲に関してはオリジナルを第一に置いています、サウンドに関してもグラフィックと同様にオリジナルを尊重しつつ、私たちに出来る限りの改善を施していきたいと思います。今のところサウンドトラックを何らかの形で提供する予定はありませんが、可能性としては考えています


WF: 先日、任天堂からDSWareのサービスが発表されました。洞窟物語をDSWareで配信するプランはありますか?

TR: DSWareがWiiWareと同様のサービスになるのであれば、素晴らしいプラットフォームだと思います。ただ、いまはWiiWare版に注力しているので、DS向けには何のプランもありません

The Cave Story interview - we get the full skinny from Nicalis frontman Tyrone Rodriguez, and Pixel himself
http://gonintendo.com/?p=58250

RMC: Pixel氏はこのWii版にどの程度関わっていますか?

TR: 彼はこのプロジェクトに深く関わっています。『洞窟物語』は彼のアイデア、彼のデザイン、そして彼のゲームですから。彼が関わっていないWii版なんて私だって認めません


RMC: Wii版の操作はどのようなものになりますか? モーション・コントロールやクラシック・コントローラーへの対応は?

TR: プレイに必要不可欠なボタンは揃っているのでWii Remoteでも遊べるようになっています。ただ、モーション・コントロールは使いどころが無いので対応予定はありません。クラコンには対応します。クラコンのボタン配置はPixel氏本人のカスタム設定ですよ

RMC: 16:9のワイド画面やドルビー・プロロジックIIはサポートされますか?

TR: DLPIIに関してはサポート予定はありませんが、ワイド画面には対応したいと思っています
ただ、アスペクト比が変わる事での技術的な問題や、一画面に表示される内容が増える事でゲーム性が損なわれるシーンがあるかもしれないので、その辺りは調整されるかもしれません


RMC: 音楽に関しても期待しています。オリジナルの楽曲がそのまま使われますか?それとも何か別の曲が用意されるのでしょうか?

TR: Wii版ではYann van der Cruyssennurykabeによるリアレンジが新たに加えられる予定です。出来上がった曲はPixel氏にチェックしてもらっています
もちろんオリジナルの楽曲やグラフィックも収録され、ゲーム中個別に選択できるようにしてあります。例えば「オリジナルのグラフィックス + アレンジ曲」という組み合わせや、その逆も選択可能です

洞窟物語は巨大なファンベースを持つ作品ですから、NicalisのスタッフたちはそうしたファンやPixel氏の期待に答えようと精一杯努力しています。でももしWii向けに書き下ろされたグラフィックスやサウンドが気に入らなくても、オリジナルを選択できるようにしてありますから安心してください


// 以下、Pixel氏へのショートインタビュー

RMC: Wii版のプロジェクトに参加して、どのような印象を持たれましたか?

Pixel: 夢のようというか・・・ちょっとまだ信じられないくらいです。ファンの皆さんのお陰でこのようなプロジェクトに参加できて、自分は本当に幸せ者だと思います


RMC: 洞窟物語がここまで大きな存在になる事は予想していましたか?

Pixel: 制作当時はフリーウェアのゲームとしてはなかなかのものが出来たという自負はありました。ただ、これほど海外で人気を集める事は想像もしていませんでした


RMC: WiiWareでのリリースに向け、今の心境をお聞かせ下さい

Pixel: 私自身はWiiWareにそれほど馴染みが無いのでまだ実感が沸かないのですが、WiiWare版で初めてプレイする人や、今まで洞窟物語を応援してくれていたプレイヤーからどういった反応が返ってくるか、今から楽しみです


RMC: タイロンさん、Pixelさん、どうもありがとうございました!


訳したいのがもう一つあるんだけど、長くなるので一旦ここで区切ります。




追記: WiiWare版洞窟物語は北米では2010年3月22日から配信開始されました、現地のレビューは以下のエントリでまとめています
dekunology: 洞窟物語 Wii版の海外レビュー総まとめ 

2008年11月9日日曜日

Machinima.comが資金調達に成功 - MAD動画はビジネスになる?

Machinima.com Raises $3.85 Million
http://newteevee.com/2008/11/06/machinimacom-raises-385-million/

マシニマの総合ポータルサイト、Machinima.comがシリーズAの投資ラウンドでベンチャーファンドと個人投資家から合計385万ドルの資金を集めたという話題。ゲーマーサイドから見た、より詳しい解説がKotakuに載っています。
http://kotaku.com/5078335/machinima-raises-millions


マシニマとはゲームのキャラクターやゲームに使われている技術を流用して作られた映像作品の事で、日本で言うところのゲーム系MAD動画の一種。

内容的には、キャラクターの台詞を吹き替えただけの単純なものから、MODツールやグラフィックエンジンからオリジナルのキャラクター、ステージを作成してドラマを展開するような本格的なものまで作られていて、今月にはニューヨークでマシニマ作品を集めた映画祭も開催されています。

また、トヨタ(http://youtube.com/watch?v=u15HmEMp2Qc)やネスレ・キットカット(http://youtube.com/watch?v=OrAHBk4ZAeQ)のように、マシニマを広告プロモーションに活用する企業も出てきています。


今年評判を呼んだマシニマとしては、Half-Life2/Portalのエンジンを使った『Portal: A Day in the Life of a Turret』が字幕付きでニコニコ動画に上がってるので例としてリンクしときましょう。



マシニマが注目されている背景には、YoutubeやDailymotionのような動画サイトの普及や、ゲームグラフィックスの進歩、MOD制作コミュニティの成熟などがあり、その流れを受ける形で昨年MicrosoftがHalo3の発売に合わせてマシニマ制作者へのガイドラインを公表したことも、大きな転換期となりました。

Machinima Licenses Spell Out New Rules for Creators
http://www.wired.com/culture/art/news/2007/09/machinimalicenses

この記事にはガイドラインの規約に対するマシニマ制作者からの「線引きをしてもらえれば活動しやすくなる」「ライセンスの縛りが厳しすぎる」といった賛否両論の声が載っていますが、どちらにせよこうやってメーカーが公にマシニマの活動に言及したというのは、それだけマシニマ制作シーンが盛り上がっているという証拠でしょう。
このMicrosoftの発表後には、WoWのBlizzardもエンドユーザー向けマシニマライセンスを公開。Valveもマシニマ制作者に配慮したゲームオプションやMODツールの提供について言及するなど、他のメーカーからもマシニマ制作をサポートする動きが出ているようです。


Machinima.comは月間300万人のユニークユーザーを抱える最大手のマシニマポータルサイトで、主な収益源はゲームメーカーとのタイアッププロモーションや外部ECサイトへの誘導報酬。金融不安下にあって今回この時期にまとまった資金を得られた事は、年間ゲーム販売の3割~5割が集中する11月末からのホリデーシーズンに向けて大きな弾みになると書かれています。

また、Machinima.comの動画はYoutube上でも公開されておりhttp://youtube.com/user/machinima)視聴ページの広告からも利益を得ているようです。
このMachinima Channelは、Youtube上で7番目に購読者数(Subscribe)の多いチャンネルであり、最も再生数の多いHalo3のネタ動画は、現時点で600万回以上再生されています。



ゲーム系MAD動画にプロモーション効果があるというのは、日本でもアイドルマスター×ニコニコ動画のニコマスで誰もが認める事になっていますが、こうやってビジネス展開に持っていける辺りが如何にもアメリカ的。
ナムコなども例のブルーバックコマンドのように、さり気無くニコマス職人をサポートする姿勢を見せていますが、いかんせん日本のファンコミュニティは本家が公認したりビジネスに利用しようとすると途端に盛り下がる傾向があるので、今までどおり、穏やかな黙認と職人さんの片思いという図式が一番美しいメーカーとユーザーの関わり方なのかもしれません。もったいないけどね。