2010.04.16

なぜ新聞社はツイッターを恐れるのか

ITジャーナリスト・佐々木俊尚インタビュー vol.3

vol.2 はこちらをご覧ください。

田原 民主党の小沢幹事長の「政治とカネ」の問題では、新聞・テレビ・雑誌の論調とネット上のそれはずいぶん乖離がありました。
  既存のメディアは大半が小沢氏に批判的だったのに、ネットは逆に検察に批判的でした。なぜ両者に開きが出るのでしょうか。

佐々木 ちょうど先日、毎日新聞が「政治とカネ」に関する報道について、同社の「開かれた新聞」委員会というオンブズマンによる検証記事を掲載していました。
  上智大学の田島泰彦教授やノンフィクション作家の吉永みち子さんなどがこぞって検察リークに基づく報道を批判しています。
  しかし新聞側は一貫して「リークはない」という言い続けている。さらに、検察捜査自体が正当な捜査なのかどうかという可能性には一切言及していません。もっと突き詰めて言えば、記者クラブの開放問題もそう。民主党政権になってからこの問題についてほとんど報道していない。
  しかしネット側では、記者クラブ問題もジャーナリストの上杉隆さんが積極的に発言したことなどをきっかけに徹底的に議論が広がっている。それから検察捜査に関しても、「検察と小沢のどちらが正義なのかは分からない。しかし、事態は明らかに検察対小沢というのは政治闘争になっている。
  それなのに検察側に一方的に与して報道するマスメディアってどうなんだ? 小沢と検察とバランスよく報じるべきじゃないか」という声が圧倒的に多かったんです。

郷原弁護士を出すなという圧力

田原 『サンデープロジェクト』は検察批判、リーク問題をやっていました。『サンプロ』には元検察官の郷原信郎弁護士が出ていた。検察捜査に批判的な郷原さんは、他のテレビ、他の番組には一切でない。なぜか。テレビ局が出さないからです。

佐々木 なるほど。

田原 「サンデープロジェクトも郷原を出すな」という圧力が来ていた。

佐々木 そうなんですか?

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