■「UltimateDefrag」はフリーソフトながら,高機能なディスク・デフラグ・ツールである。デフラグ機能に加え,よく使うファイルをハードディスクの高速なエリアに配置するなどの機能も併せ持っている。
■最初は派手なユーザー・インタフェースに驚かされるが,ディスク上の状態をわかりやすく把握しながら操作できる。ビギナーズからパワーユーザーまでにお薦めのツールである。
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コンピュータを長く使用していると,ハードディスクへの書き込みや削除のプロセスが繰り返され,ハードディスク内のファイルが連続して配置されなくなるなる「フラグメント」(断片化)が起こるようになる。ファイルの断片化が進むと,ハードディスク内でのファイルの読み取りや書き込みのための時間がかかるようになり,コンピュータ全体のパフォーマンスの低下をもたらす要因の1つとなる。また,ファイルの断片化や空き領域の断片化が増えると,読み取りや書き込み,あるいは削除のために,ハードディスク内でヘッドが移動する回数や距離も増大し,結果としてハードディスクの劣化に影響を及ぼす要因の1つになるとも言われている。
Windows標準のデフラグ・ツールは貧弱
このようなファイルの断片化を解消するためのツールとして,Windowsには標準でディスク・デフラグ・ツールを搭載しており,ディスクのプロパティ画面の「ツール」タブにある「最適化」などから実行できる。だが,このWindows標準のデフラグ・ツール(最適化ツール)は,単純にファイルのフラグメントを解消する機能しかない。よりパフォーマンスを向上させたいと願うユーザーは,高機能で強力なシェアウエアや市販のツールを使用しなければならない。
読み込みや書き込み,削除といったファイル操作がコンピュータのパフォーマンスやハードディスクの寿命に影響を及ぼす点については,ハードディスクの構造が密接に関連している。ハードディスクは1枚あるいは何枚かの円盤状のディスクで構成されており,この円盤の上をヘッドが高速に移動しながらファイルを操作する。だが,ディスクという構造上,円盤の外周部と内周部ではパフォーマンスが異なってくる。当然ながら,ディスクの外周部は内周部に比べてヘッドの移動距離も小さく高速で移動できるため,ファイル操作のパフォーマンスも高い。このことを考慮すると,たとえば頻繁に使用するファイルはディスクの外周部に,あまり使用されることのないファイルはディスクの内周部に配置すれば,コンピュータのパフォーマンスとハードディスクの寿命の双方でメリットが生ずることになる。
ディスクのデフラグ・ツールは,古くからWindows用のユーティリティ・ツールとしては人気のあるジャンルの1つで,シェアウエアや市販のツールも数多い。今回は,この中から,フリーソフトでありながら,デフラグ機能とファイルの再配置機能を併せ持つ強力なツールの1つである「UltimateDefrag」を紹介しよう。