セキュリティ&プログラミングキャンプ2008の会場
セキュリティ&プログラミングキャンプ2008の会場
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はてな 執行役員 最高技術責任者 伊藤直也氏
はてな 執行役員 最高技術責任者 伊藤直也氏
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セキュリティ&プログラミングキャンプ2008 プログラミング・コース主査 吉岡弘隆氏
セキュリティ&プログラミングキャンプ2008 プログラミング・コース主査 吉岡弘隆氏
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セキュリティ&プログラミングキャンプ2008 セキュリティ・コース主査 サイバー大学 園田道夫氏
セキュリティ&プログラミングキャンプ2008 セキュリティ・コース主査 サイバー大学 園田道夫氏
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 「プログラムは世界を変える。ここにいるみなさんは“世界を変える切符”を手にしている」(はてな 執行役員 最高技術責任者 伊藤直也氏)---経済産業省(経産省)は8月13日から17日,学生を合宿形式で鍛える「セキュリティ&プログラミングキャンプ2008」を開催した。主査のミラクル・リナックス 吉岡弘隆氏とサイバー大学 園田道夫氏を始めとする著名講師陣が学生に泊り込みで技術と精神を伝授。特別講師として,はてなの伊藤氏や“ハッカー検事”として知られる札幌高等検察庁の検事 大橋充直氏が講演を行った。

 経産省では2004年から,人材育成を目的に「セキュリティキャンプ」を財団法人 日本情報処理開発協会(JIPDEC)に委託し実施してきた。2008年は新たにプログラミングコースを設け「セキュリティ&プログラミングキャンプ」としてJIPDECと独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)に委託し開催。260名の応募者の中から,47名が選ばれて4泊5日の合宿に参加した。

「ダイヤモンドの原石がそろっている」

 「ダイヤモンドの原石がそろっている」と,主査のミラクル・リナックス 吉岡弘隆氏は絶賛する。参加資格は22歳以下の学生,生徒だが,最年少は14歳。中学生ながら情報オリンピックに出場したり,読売科学賞で文部科学省を受賞した参加者もいる。ロボコンの世界大会に出場した学生や,中学生ながらJavaScriptに関する情報発信で知られる参加者もいる。吉岡氏は「単にプログラミング・テクニックが凄いだけでなく,コミュニティのリーダーとして信頼されるようなプログラマを輩出したい。そして彼等が今後の核になってさらに新しい人材を発見発掘するというエコシステムを作る」と目標を掲げる。

 例えばプログラミング・コースの学生は,技術面ではアルゴリズムからコード・リーディング,C言語やJavaScriptまで,非技術的な面ではオープンソースやコミュニティへの参加方法まで,5日間にわたりみっちりと叩き込まれる。そしてJavaScriptを教えるのはサイボウズ・ラボの天野仁史氏,オープンソース・ソフトウエアの意義やライセンスを講義するのは日本Linux協会会長の凸版印刷 野首貴嗣氏,プロトコル・スタックを解説するのがLinux上のIPv6を開発した慶應義塾大学大学院の吉藤英明氏といった各分野の第一人者だ。参加した学生は「難しかったが勉強になった」「同年代にこんな人がいるのかと刺激になった」と話す。

 セキュリティ・コースの講師もJi2の伊原秀明氏,セキュリティ・プロフェッショナルズ・ネットワークの塩月誠人氏と吉田英二氏,NTTデータ先端技術の根津研介氏,理化学研究所の渡辺勝弘氏,NTTデータの宮本久仁男氏,サイボウズ・ラボの竹迫良範氏,ネットエージェント はせがわようすけ氏,テックスタイルの岡田良太郎氏など著名な技術者がそろっている。

 企業見学もカリキュラムに組み込まれている。プログラミング・コースはドワンゴを訪問し,ニコニコ動画を開発した戀塚昭彦氏(関連記事)らに話を聞いた。セキュリティ・コースはラックを訪問しセキュリティオペレーションセンターの見学などを行った。