米国の市場調査会社、eMarketerが現地時間2014年7月9日に公表した世界の広告市場に関する調査によると、2014年におけるメディア広告への支出額合計は5454億ドルとなる見通し。2013年の支出額は前年比2.6%増で推移したが、今年は同5.7%増と、昨年の2倍の伸び率が見込めるという。

 その要因は、FIFAワールドカップのブラジル大会やソチオリンピックだけではなく、インターネット広告とモバイルインターネット広告の堅調な伸びだという。

 eMarketerがここで言うメディア広告とは、パソコンやタブレット端末、携帯電話に配信されるインターネット広告、新聞/雑誌/テレビ/ラジオの広告、屋外広告、ディレクトリ広告(電話帳広告など)が含まれる。

 同社によると、これらメディア広告への支出額が最も多い国は米国。2014年は世界市場全体のほぼ3分の1となる1800億ドル以上を米国が占めるという。米国に次いで市場規模が大きい国は中国。ただし同国の1人当たりの支出額はわずか37.01ドルにとどまるとの予測だ。

 1人当たりの支出額の国別順位は、米国(564.84ドル)がトップで、このあとノルウェー(538.71ドル)、オーストラリア(504.36ドル)、カナダ(397.39ドル)、スウェーデン(393.07ドル)と続く。日本は318.37ドルで9位。それ以降はオランダ(318.34ドル)、フィンランド(313.98ドル)、フランス(232.34ドル)、韓国(198.70ドル)などが続くと予測している。

 eMarketerによると、今年のインターネット広告への支出額は前年比16.7%増の1401億5000万ドルとなり、全メディア広告に占める割合が初めて25%を超える見通し。またインターネット広告市場のけん引役となるのはモバイル広告だという。今年のモバイル広告への支出額は、前年比84.7%増の327億1000万ドルで、インターネット広告のほぼ4分の1を占めるようになると同社は予測している。

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