女性向けの会員制転職サイト運営のLiB(リブ)は2015年7月30日、会員女性の様々なキャリア情報を見える化するサービスを始めると発表した。人材事業を提供する企業と協業し、会員の女性が経験した仕事やスキルアップに受講した講座、専門分野といった情報を収集。同社サイト内で、求人企業などが閲覧できるようにする。会員女性が積み重ねたキャリアを詳細に把握できるようにして、転職の成約率を高めたり在宅勤務など多様な働き方を選びやすくしたりする。
まずクラウドソーシング大手のクラウドワークス、人材開発支援のリンクアンドモチベーションとそれぞれ提携した。一連のサービスを提供するため、両社およびサイバーエージェント・ベンチャーズなどを引き受け先とする第三者割当増資を実施し、2億7000万円を調達したことも発表した。
LiBは管理職をはじめとするハイキャリアの女性に特化した転職支援サイト「LiBz CAREER(リブズキャリア)」を運営する。2014年5月に提供を始め、求職登録している会員女性は2万4000人、求人登録している企業は280社。
新サービスはLiBが「キャリアパスポート」と呼ぶ事業構想に基づくもので、10月にも始める。「様々な国への渡航暦が残るパスポートのように、職歴やスキルなどすべてのキャリアの情報をインターネットに集約し可視化する」(LiBの松本洋介社長、写真1)。
会員女性のキャリア情報は当初、LiBのサイトに求人登録した企業が閲覧できるようにする。将来的には他の企業向けにも提供する計画だ。
業務提携したクラウドワークスとリンクアンドモチベーションは、会員女性と求人企業へのサービス提供を通じて会員女性のキャリア情報の収集を支援する(写真2)。クラウドワークスは会員女性向けに、在宅勤務やパートタイム勤務の機会を提供。会員女性がクラウドワークスを利用した履歴情報を、LiBのキャリアパスポートのサイトに蓄積する。リンクアンドモチベーションは求人企業向けに、組織診断や研修制度の設計、人事コンサルティングなどのサービスを提供する。これらを通じて会員女性が働きやすい職場環境作りを支援する。