SL函館大沼号(SLはこだておおぬまごう)は、北海道旅客鉄道(JR北海道)が2001年平成13年)4月28日から2014年(平成26年)12月25日まで函館本線函館駅 - 森駅間にて運行していた、蒸気機関車 (SL) 牽引による臨時普通列車である。

SL函館大沼号
森駅にて発車待ちのSL函館大沼号(2008年8月)
森駅にて発車待ちのSL函館大沼号(2008年8月)
概要
日本の旗 日本
種類 普通列車
現況 運行休止
地域 北海道
運行開始 2001年4月28日
運行終了 2014年12月25日
運営者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
路線
起点 函館駅
終点 森駅
使用路線 函館本線
技術
車両 14系客車
スハシ44形客車
ヨ3500形貨車
C11形蒸気機関車
(すべて旭川運転所
軌間 1,067 mm
電化 ※蒸気機関車牽引のため電気動力不使用、下記は運行区間の電化状態
交流20,000 V・50 Hz(函館 - 五稜郭間)
非電化(五稜郭 - 森間)
備考
臨時列車扱い
2009年10月現在のデータ
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運行概況

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主に、ゴールデンウィーク時期と夏休みの期間限定で1日1往復運行していた。当列車は全席座席指定制でありSL指定席料金を別途支払う必要があった。編成として普通車以外にカフェカーおよび車掌車が連結されていた。各車両には「道南の花」「幕末」「異国情緒」などをテーマにした装飾がされていた[1]

往路の下り函館発森行き列車は、函館駅を発車後、急勾配のある仁山駅を経由して[2]大沼・小沼および駒ヶ岳がある大沼国定公園の風景を望みながら森駅に到着していた。

復路の上り森発函館行き列車は、森駅を発車後、往路とは別の砂原支線を経由し、大沼国定公園に加えて内浦湾の風景を望みながら大沼駅に到着後一旦スイッチバックして大沼公園駅まで戻っていた。大沼公園駅発車後は往路と同じルートで函館駅に到着していた。

列車番号は下り列車が全区間9989、上り列車は森 - 大沼間が9990、大沼 - 大沼公園間が9991、大沼公園 - 函館間が9992であった[3]

2014年、JR北海道は安全体制の立て直しを図る中で新型の自動列車停止装置 (ATS) を蒸気機関車に搭載するだけの余力がないこと、また、北海道新幹線の開業準備を優先させる必要性があることから、2014年度限りでSLニセコ号やSLはこだてクリスマスファンタジー号とともにSL函館大沼号を廃止する方針であることが明らかとなった[4][5]。2014年12月の運行をもって、SLはこだてクリスマスファンタジー号とともに終了した。

使用車両

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函館駅に停車中のSL函館大沼号(2006年4月30日)
 
最後尾に連結されるDE10形と車掌車(2006年4月30日、函館駅にて)

牽引機関車

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旭川運転所所属のC11 171またはC11 207。この2両が重連で運転されたこともあった。森駅に転車台がないため、上り列車ではバック運転(逆機)で客車を牽引していた。

補助機関車(補機)

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函館運輸所に所属するDE10形が最後尾に連結される[6]。復路の上り列車の大沼 - 大沼公園間では最前部で牽引していた。

客車

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2003年(平成15年)の夏からはSLすずらん号車両で運転されていた。編成内容は以下のとおり。函館方が1号車。

まれにスハフ14 507が増結されることがあった。

2003年(平成15年)の春まではSLニセコ号車両で運転されていた。編成内容は以下のとおり。函館方が1号車。

  • 車掌車 - ヨ4350
  • 1号車 - スハフ42 2261(座席車)
  • 2号車 - オハシ47 2001(カフェカー)
  • 3号車 - オハフ33 2555(座席車)
  • 4号車 - スハフ42 2071(座席車)

停車駅

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担当車掌区

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  • 函館運輸所

車内販売

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カフェカーにおいてグッズや弁当、お土産品の販売を行っていた。

沿革

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商標

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SL函館大沼号」は、北海道旅客鉄道が商標として登録していた[10]

登録項目等 内容等
商標 SL/函館大沼号
称呼 エスエルハコダテオーヌマゴー,エスエル,ハコダテオーヌマゴー,オーヌマゴー,ハコダテオーヌマ
出願番号 商願2001-73034
出願日 2001年(平成13年)7月24日
登録番号 第4576358号
登録日 2002年(平成14年)6月14日
権利者 北海道旅客鉄道株式会社
役務等区分 14、21類
存続期間満了日 2022年(令和4年)6月14日

脚注

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  1. ^ SL函館大沼号(14系 ※一部43系) 車両の紹介”. JR北海道 (2014年8月1日). 2014年12月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年11月30日閲覧。
  2. ^ 2009年(平成21年)以降より。2008年(平成20年)までは藤城線経由で運行されていた。
  3. ^ JTBパブリッシング編 JTB時刻表 2012年4月号
  4. ^ “SL函館大沼号、本年度限りで廃止 他3列車も検討”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2014年7月8日). オリジナルの2017年7月8日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140708041822/http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/549847.html 
  5. ^ “SLニセコ号も廃止 JR、冬の湿原号は存続 新型ATS搭載困難”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2014年7月10日). オリジナルの2014年7月14日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140714171448/http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/550281.html 
  6. ^ 往路の上り勾配(渡島大野 - 大沼間)はSL現役時代から重量のある貨物列車は補機を必要としていた上、C11形は非力であり単機での牽引が難しいために連結されていた
  7. ^ “「SL函館大沼号」が発車”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (2001年5月2日) 
  8. ^ “SL函館大沼号”,乗車10万人を達成”. 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース (2012年5月3日). 2012年5月3日閲覧。
  9. ^ 冬の函館で「SLはこだてクリスマスファンタジー号」を運転します』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2014年11月5日https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2014/141105-1.pdf2023年2月5日閲覧 
  10. ^ 商標「SL函館大沼号」の詳細情報”. Toreru商標検索. 株式会社Toreru. 2022年8月2日閲覧。

関連項目

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